「イーロン・マスク上、下」を読み終わりました。作者は2年間影のように、イーロン・マスクについて回って取材しました。イーロン・マスクは小さい時に南アフリカ共和国でいじめにあったり、お父さんからひどい仕打ちを受けたりしたので、少々のことでは決してへこたれない強い心の持ち主です。生か死かという状況でないと、毎日、モチベーションを保つのが結構難しくなってしまうそうです。状況がひどくなるほど元気になります。イーロン・マスクの本質は命がけの戦いこそ、前に進み続ける原動力だと書かれています。育った環境は悪かったのかもしれませんが、一概には悪いとは言い切れないと思いました。イーロン・マスクは個人秘書もスケジュール担当者もなくして、自分の予定は自分で管理していました。ですから何でも対応が早いです。ビル・ゲイツと会うことになった時も、ビル・ゲイツはお互いのスケジュール担当者に連絡して決めようと思いましたが、イーロン・マスクは直接電話してくださいと言ったそうです。そうなるとビル・ゲイツも自分で連絡しないと失礼だと思ったそうです。また、ロシアがウクライナに侵攻した時、ウクライナの通信インフラを集中的に狙いました。これでは指揮命令系統がマヒし、防御らしい防御ができないとマスクに助けを求めました。副首相ミハイロ・フェドロフはツイッターで「スターリンクのステーションをウクライナに提供していただきたい」と支援を要求しました。スターリンクというのはスペースXが運用している衛星です。インターネットアクセスサービス並びに衛星コンステレーションです。マスクはスターリンクキットを大量にウクライナへ送りました。ところが停電で端末が使えないことを知ると、携帯型のソーラーとバッテリーのキットも送りました。マスクは何でも簡単にして、経費を浮かせることを考えます。「ハエを殺すならハエたたきにすべきで、巡航ミサイルを使うのは愚の骨頂だ」と言ったそうです。AIの安全性にも早くから気を遣っています。危険性を抑え、人類の意識を生きのびさせる。石橋をたたいて渡るNASAに対して、失敗して学ぶを基本にすべきだと考えています。「リスクは取る、爆発から学ぶ、改修する、もう一度やる」。必ず最後まで全力で戦い抜きます。そうして着陸・再利用できる軌道ブースターファルコン9を開発しました。再利用するという考え方すらなかったのに実現させました。作者は述べます。
「マスクという人間を丸ごと受け入れることなく、我々はロケットを軌道まで打ち上げたり、電気自動車の世界に足を踏み入れたりできるのだろうか。」
マスクはあまりにも先の未来を見据えているので絵空事のように思いますが、そこにはしっかりとした物理的な、証明できるような何かをわかっているのだと思います。「内耳の蝸牛を刺激して聴覚障害を治す。視覚だって実現できる。」まさに神業レベルですが、それがマスクです。車椅子の人が歩けるようになるかもしれません。頭が良くて、いろいろな方面に興味があるので知ろうとします。いつの日かマスクなら実現すると思うとどれほど明るい未来なのかと嬉しくなりました。
イーロン・マスクが経営している会社
- テスラ
- スペースXとスターリンク部門
- ツイッター(X)
- ザ・ボーリング・カンパニー
- ニューラリンク
- X・AI
2024-8-17(土) 図書館資料 請求番号:289.3/マー2