とても人気の本ですのでもう読まれた方も少なくないでしょうね。「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている。」と最初に書いてあります。事実?!興味がありますね。たいていの場合、事実は伝わってこないことが多いので、とても興味を持ちました。小説の中に上手く事実が書かれています。ビックリすることや感心することが沢山ありました。小説の内容はルーブル美術館長のソニエールが殺害され、最後のダイイングメッセージが残されます。それを孫娘のフランス司法警察暗号解読官「ソフィー・ヌヴー」とハーバード大学教授「ロバート・ラングドン」が解明していくと言うものです。小説としても大変面白かったのですが、そこに書かれている事実が勉強になりました。
- キリストは神様でなく人間である。
- 聖書に出てくる娼婦「マグダラのマリア」は娼婦ではなく王族の血をひく高い位であった。
- キリストも王家の血が流れていて、マグダラのマリアと結婚していた。
- 「最後の晩餐」のキリストの左に描かれているのはマグダラのマリアである。
などなど私の知らないビックリすることばかりでした。この本にはダ・ヴィンチの絵もたくさん登場しています。絵の見方が変わるかもわかりません。とにかくいろいろ興味深いのです。その中でも「黄金比」には感動しました。宇宙で最も美しい数値と一般に考えられています。自然界の事物、植物や動物、そして人間についてさえもさまざまなものの比率が不気味なほどの正確さで1.618対1に迫っているのだそうです。「神聖比率」とも呼ばれるほどです。ダ・ヴィンチはお墓を掘りかえしてまで骨格を正確に計測したそうです。「ウィトルウィルス的人体図」はこれをもとに描かれたようです。そこでちょうど帰省していた三男といろいろ計測して本当に1.618になるのか、検証してみました。ところが1.68~1.8ぐらいの間になり、納得がいきません。ギリシャのパルテノン・エジプトのピラミッドなども黄金比になるようにつくられているそうです。また、モーツァルト、ベートーベンなどの曲の構成比率も黄金比だそうで、有名なバイオリン「ストラディヴァリウス」もこの比率で作ってあるそうです。ダ・ヴィンチが絵の中でメッセージを残したようにディズニーも映画の中で宗教的なメッセージを残しているそうです。子供に夢を与えるような映画の中に?この次見るときは気をつけてみたいと思います。ちょっと難しいところもありましたが、宗教学、美術史など知らないことを教わりました。
そして最後に作者「ダン・ブラウン」はこの作品のすべてを理解し、協力してくれた方にお礼を述べています。その中にはご両親、奥様のことも書かれています。「~略~もうひとりは、美術史研究者、画家、第一線の編集者の顔を併せ持ち、わたしの知るかぎり最も才能豊かな女性だと断言できる、わが妻プライズである。」このように絶賛されたら最高ですね。素晴らしい男性には素晴らしい女性が、そこそこの男性にはそこそこの女性が、ダメな男性にはダメな女性が・・・と妙に納得したのでした。
お気に入り度:★★★★★ 所有本(文庫 上・中・下)