あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 第6次瀬戸内カヤック横断隊_大島~蒲刈

2008年12月03日 | 旅するシーカヤック
2008年11月29日(土) 早朝4時。 しまなみの大島で目を覚ます。
外はまだ真っ暗で星がきれいに瞬いている。 シュラフから這い出し、着替え、荷物をパッキングして簡単な朝食を摂る。
今朝は、前日に買っておいたパンと、炭火で炙ったホカホカの酒饅頭。
***
5時頃には浜に移動。 まだ真っ暗な中、ヘッドランプの明かりを頼りに荷物をシーカヤックにパッキングしていく。

少し明るくなりかけた6時過ぎ、『さあ、そろそろ行こうか!』
 
海に出ると隊員の一人が海上保安庁に一報を入れ、大島を出て蒲刈の県民の浜を目指す事を伝える。
少し風はあるが、全く問題ないレベル。 波もそれほど高くない。 最初は大島の北岸に沿って漕ぎ進み、最短距離のところでバウを北西に向けて大三島へと漕ぎ渡る。
本船航路の横断となるので周囲をしっかりワッチしつつ、船が見えたらお互いに声を掛けて注意し合う。

***
大三島の南岸沿いを進み、廃校になった学校を利用した宿泊施設の前にある浜に上がる。
少し早いが、ここでお昼ご飯。 朝食も4時過ぎと早かったので、お腹も減っている。

お昼ご飯は、おにぎり2個。 ポットに詰めた温かいお茶を飲みながら、おにぎりを頬張る。 今回の横断隊では、行動食や食事を最低限に抑えてみようと思っている。
第1次、第2次横断隊の時に辛い目にあった経験から、第3次以降は行動食も食事もこれでもかというくらいしっかり摂るように心がけていたが、今回はどの程度なら適量かを知るためのプチテストにトライしてみることにしたのだ。
ただし、イザと言う時のために、デッキバッグにはしっかりとこれまでの横断隊でテスト済でお気に入りの行動食の準備はしておいた。 
 
小さな焚き火を熾し、暖をとる。 この時期、風に吹かれながら漕いでいると体が芯から冷えてくる。 そんな時、焚き火の有難さがしみじみと感じられる。
***
休憩を終え、再び出発。 ザワザワと波立つ追い潮の中を、大三島から関前の大下島へと漕ぎ渡る。

大下島と小下島との間の海峡は、潮流と風がぶつかり、一面に複雑な三角波が立っていた。 ラダーのないカヤックは左右に振られ、保針が大変そうだ。
ここではいったん大下島の岸沿いを南下し、最短距離を海峡横断。
***
小下島の北岸を越え、岡村島に取り付く。 ここまで来れば、県民の浜まであと2時間ほど。 少し風が強くなって来たなか、岸ベタぎみでジリジリと漕ぎ進む。

岡村島の北端を越えたあたりで様子が変わって来た。 風が上がり、空がいっそう暗くなって、終いには雨も落ちて来た。
この雨が顔に当たると痛いほど。 前を向くことができない。 風も、突風と言っていいほど強くなった。

『内田さん。 ここの後方に小さな浜があります。 あそこに避難しませんか!』と進言。 この辺りでは、この浜を逃すと当分護岸で上陸が難しいのだ。 また、この浜の上にはキャンプ場があり、駐車場などのスペースがある事も知っている。
内田さんも合意され、『おーい、後ろの浜に避難しろー』

急に波が高くなり、プチサーフ状態の中を無事上陸。 フネを浜に引き揚げ、道路に上がって海を見ると、あっという間に風浪で真っ白になっていた。 いやあ、避難して良かった!
 
しばらく様子を見ていたが、今日はとても漕げそうもない。 ここから蒲刈のB&Gまでのポーテージが決定された。

蒲刈でいつもお世話になっているIさんに電話を入れると、サポートしていただけるとの事。 他のサポートメンバーや、今日合流予定の隊員とも連絡をとり、ポーテージのクルマの到着を待つ。
クルマが到着し、カヤックと荷物、そして隊員の搬送が始まった。 今回は、Iさんの知り合いの方まで来ていただき、助けていただいた。 おかげで、夕方には無事にB&Gへのポーテージが完了。

***
本日の漕行距離は、大島から岡村島までの約20km。
悪天候の中、B&Gの艇庫で心休まる一夜を過ごさせていただいた。
お忙しい中お世話になった蒲刈のIさんと漁師さん、本当にありがとうございました。 隊員一同、たいへん感謝しております。

艇庫の外は、嵐のような雨と風。 さて、明日は無事に漕ぎ出せるのだろうか?

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