A whiSper Of memOrieS

☬Murmure de mémoire☬

Miyakojima-18

2016-01-22 | Okinawa
例によって写真とは無関係な話です。  
平沢進の新譜『ホログラムを登る男』(TESLAKITE,2015)が傑作です。楽曲もこれまでのアルバムの中で最強レベルですが、意味があるのかないのか判らない歌詞がまた魅力的です。かつてSoft Balletの遠藤遼一の歌詞がそうであったように。 例えば、「クオリア塔」という曲の「幸いは岩の如くあり」という言葉の連なりに魅かれます。「いわ」という音が荘厳なメロディに乗って3回ゆっくり繰り返されます。口ずさんでみると判りますが、音と気が口内にまとわりつき不思議な響きを生んでいます。そういえば早口言葉に、「裏庭には二羽にわとりがいる」なんてのもあったな…てなことを考えるうちに、谷川俊太郎の『ことばあそびうた』(福音館書店,1973)を思い出しました。「はなののののはな はなのななあに なずななのはな なもないのばな」という具合です。こうして大の大人も真剣に言葉と戯れているんですね。  ---音の響きに敏感にならざるを得ない仕事をしているため、ダジャレの効用や重要性について考えることがあります。外国語を学ぶ者がうろ覚えの単語を、音の似かよった全く意味の違う他の単語と間違えることがよくありますが、まさに無作為なダジャレです。 子どももことばを覚える過程で発音の似かよった単語でよく言い間違いをしますよね。大人になっても、ある外国語を初めて学ぶ場合は、子どもが母国語を学ぶ際と、無防備さという点においてあまり変わらないと思います。 だじゃれをバカにしないでいいし、恥ずかしがらなくてもいいんではないかな。  
 BGB:小山田圭吾・向井秀徳ほか『音楽とことば‐あの人はどうやって歌詞を書いているのか』(スペースシャワーネットワーク,2009)、谷川俊太郎『シャガールと木の葉』(集英社,2005)、多和田葉子『言葉と歩く日記』(岩波新書,2013)
コメント    この記事についてブログを書く
« Miyakojima-17 | トップ | Miyakojima-19 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。