<自動翻訳、外国語学習不要論、言語能力の退化をめぐるメモランダム>
自動翻訳する場合は、それをさらに訂正するぐらいでないと言語能力が向上しないので、
気を付けたい。
大規模言語モデルがどんなに充実しても自分の脳が充実するわけではない。
結局、「手持ちの辞書」が日々充実しているというだけのこと。
辞書と自分を同一視して、自らアウトプットしなければ、第一言語能力も退化する。
AIがあれば外国語学習は不要という考え方は、相手の言語を介した外国文化への深い
理解や洞察は必要ないと言っているに等しく、これは母語(国語)学習不要論、
ひいては自国文化軽視にもつながってくる。
AIがあれば、アイデンティティなんてどうでもいい?
☆冗談半分のSFとは言えない未来☆
我々は、母語話者同士のコミュニケーションでも一切口を閉ざし、言葉は手持ちの
AI機器でしゃべり合う。
もはや生身の人間の話す言語は、AI機器の表現力に遠く及ばず、AIに「アナタの
コトバはチセツなので黙っててください。今日の晩御飯は抜きです」とお叱りを
受ける始末。
「声を出さなくていいから便利」という価値観が世界中に浸透し、いつの間にか
人間の声帯も退化し始める。
人類が一斉に使わなくなった身体部位は、突然変異的、そして共時的に退化(進
化?)するのだ。
※写真:小淵沢にて。