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眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

バックミュージック

2013-09-03 | 
ジャニス・ジョップリンの歌声が流れた。

僕は楽器屋でギターを物色していた。
何故かアコーステックギターが流行りだしていて、小さな楽器屋でもまずまずの品揃えだった頃の話だ。
どうしてもスチール弦のギターが必要になって、僕は半年ほど店に通い詰めた。
有名どころのギターは、やはり少々値が張った。
それで、まず予算を設定してそのポジションの物に目をつける。
あとは、片っ端から試弾きさせてもらった。
暑い日だった。
楽器屋の調整された室温は快適だった。

ふらっと店に立ち寄って、ギターを悪戯していると歌声が流れていた。
  
 あ、ジャニスか。

ふと思ってギターを触っていた僕は突然きずいた。
バックミュージックじゃなかったんだ。
誰かが歌っているのだ。
振り返ると、店の裏の方から擦れた笑い声とともに歌声が混ざる。
日本人か外国人なのかもはっきりとしなかったのだが・・・。
年齢も分らない。ただ女性らしい。

僕は歌に耳を傾け、歌が終わるとギターを元の位置に丁寧に置いて店を出た。
なんだか得をした気分だった。

結局、僕は冬頃に一本のギターを手に入れた。
カナダ産で、「サイモン&パトリック」というメーカーのギターだ。
当時はあまり有名じゃなかったけれど、指弾きした時の音色が好きになったんだ。
わざとライトゲージの弦を張ったりした。
いつも触るクラッシックギターとは、まるっきり違っていて素敵なんだ。

それにしても。
どんな人が歌っていたのだろう?
そうして。
いまでも歌っているだろうか?



コメント (2)
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