由流里舎農園

歯科医師(歯学博士)・野菜ソムリエの島谷浩幸がお届けする気ままな農天気ブログ

野菜と肉と歯の形

2012-04-13 07:53:30 | 日記
歯の形……前歯は厚みが薄く尖って。奥歯はずんぐりと丸く。
これって、ちゃんと意味があるのですよね。

著書「歯磨き健康法」(アスキー新書、2008)にも書きましたが、
簡単に言うと、
前歯は食物を「噛み切る」役目、奥歯は「すりつぶす」役目があります。



肉食動物、一部の魚などは歯が尖っていますよね。
肉を噛み切ったりするのに効果的な形。
前から3番目の歯は尖っていて、実際に「犬歯」とも言います。
いわゆる「八重歯」もそうですね。

草食動物の歯は臼の形。臼歯とも言います。
臼のような形の広い面積で、すりつぶします。
6歳のころに生えてくるのは、「第一大臼歯」。
ちゃんと名前があります。



ということは……、歯の形がちゃんとしていないと、
その機能を十分に発揮できないのです。
奥歯に虫歯があって穴が開いていたりすると、
野菜の食物繊維が入り込んで痛みになったり。
歯周病で歯が抜けてなくなっていたら、機能さえできません。
食材を丸呑みしなくてはならないのです。
有効な栄養素さえ不十分な吸収になり、消化不良の原因にもなります。

歯を失うおよそ半数、50%の原因は「歯周病」。
いかに丁寧に歯磨きをして、歯を大切に守るか。
歯磨きの大切さが改めて分かります。

野菜ソムリエの私としては、
料理をより美味しく頂くためには、
その人の歯の状態に合わせて調理することが大事だと考えます。
入れ歯を使っているなら、
固いものは控えて、小刻みにして柔らかく煮込むとか。
調理の工夫は大切ですね。
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