Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

アンガジュマン

2011-06-22 11:17:43 | その他
ホトトギスという鳥はなぜか山里の人家近くが好きなようだ。
今朝も朝の五時ころから例の「特許許可局。。」をしきりに
囀っている。竹薮のほうにでも姿があるのかと思うが、鶯と
同様な地味でケムに撒くような色調のせいか?姿形がみあた
らないことが多い。
疲れていたせいか、寝入りはなが深くて目覚めは早いという
パターンを繰り返している。それにしてもホトトギスの鳴き
色は湿気をたくさん含んだ梅雨空の寂寥感を一層掻き立てる
と思いながら寝床の読書で気を紛らわせる。
本来は星菫派的な資質を一部持っているが、ここ数年は自分
が育った昭和時代の歴史的位置を確認したくて、半藤一利氏
、司馬遼太郎、山本七平、などの著作物を濫読している。
今朝は文春文庫、半藤一利の「ノモンハンの夏」という昭和
10年代のソ・蒙国境をめぐる関東軍の軍事行動記録を読む。
ドイツとイタリアが提携し、そこへ参加すべきか否かという
大戦前夜の日本の空気がよく伝わってきて、メディアの質、
大衆の排外主義、官僚支配層の尊大な無責任体質、今も昔
もそれほど変わっていないことに思い至る。
そういえば村上春樹がノモンハンについて書いた単行本が
あったけど、未読だから捜してみることにする。
寝床の机に切り抜いておいた村上春樹のスペインカタルニア
自治政府の受賞記念講演記事も再読する。
実存哲学が流行った頃のタームで喩えると、今回のアンチ
原子力発言は春樹流アンガジュマン(政治・社会参加)の兆し
だろうか?科学技術は科学技術で乗り越えていくと発言して
一連の「反核異論」でアンチ原発論者も叩いた吉本隆明さん
のお門違いあたりを論破することから、春樹流「非現実的な
夢想家」発言は有効性を増すのではないだろうか?
講演録を読む限り、論旨は正論しかし大江健三郎的な欧州的
教養主義の香りがしてならないと思った。