皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
いよいよ明日の年長組を皮切りに子どもたちも待ちに待った発表会の幕が上がります。今年も素晴らしい作品の数々が見事に出来上がろうとしています。とくに年長組の子どもたちはこれが園生活最後の大きな活動ということもあって、これまで以上に力を込め、意気込み十分で取り組んできたようです。長時間集中してみんなで心をひとつにしながら作り上げていくその様をすぐ傍らで見ていると、それこそ迂闊に声をかけるのも咳をするのもためらわれるくらい真剣なのです。しんとして心地よい緊張感が運動場いっぱいに満ち満ちて、自分たちの手で劇を作っているのだという充実感がひとりひとりのまなざしにあふれています。さぞよい時間を過ごしているのでしょう、見ているこちらまで清々しい気持ちになるのです。この一年を、あるいは幼稚園生活を締めくくるにふさわしい発表会が間もなく始まります。
どうぞ保護者の皆様、ご家族お揃いでお楽しみにお出掛けください。
教職員一同心よりお待ち申し上げております。
おしまいにこの発表会に寄せて書いた詩を一遍、ここに記します。
『物語という宇宙』
まえだ かん
きみに伝えたいことがある
物語という宇宙をさまようきみに
どうしても伝えたいことがある
たとえば人生は書きかけの絵本なのだと
海へ漕ぎだすのか山へ分け入るのか
結末は読み終えるまで誰にもわからない
だからこそ人は生き、人は物語を紡ぐ
たとえば一冊の小さな絵本の中に
われら人類の
過去と現在
そして未来がある
しかし小さいきみは
まるでそんなことにはおかまいなしに
好きな絵本ばかりを
くりかえし、くりかえし読んでいる
くりかえし、くりかえし読む
そのささやかな物語の中に
もうすでにきみの小さな祈りが託されている
きみに伝えたいことがある
物語という宇宙をさすらうきみに
どうしても伝えたいことがある
物語るということ
それは言葉で語るということだ
言葉はいつか風のように
時には森を焼き尽くす炎のように
やがてきみを捉え、包むだろう
その時、きみは何を語るだろうか?
きみはきみの言葉で
きみにとっていちばん肝心なことを
慎み深く語らなくてはならない
きみの語る言葉はきみの物語なのだから
きみはきみの言葉に耳を傾けなくてはならない
きみはきみの語る言葉を信じなくてはならない
今日という日が来るまで
人々がどうやって生きてきたか
これからきみがどうやって生きていくのか
いよいよ明日の年長組を皮切りに子どもたちも待ちに待った発表会の幕が上がります。今年も素晴らしい作品の数々が見事に出来上がろうとしています。とくに年長組の子どもたちはこれが園生活最後の大きな活動ということもあって、これまで以上に力を込め、意気込み十分で取り組んできたようです。長時間集中してみんなで心をひとつにしながら作り上げていくその様をすぐ傍らで見ていると、それこそ迂闊に声をかけるのも咳をするのもためらわれるくらい真剣なのです。しんとして心地よい緊張感が運動場いっぱいに満ち満ちて、自分たちの手で劇を作っているのだという充実感がひとりひとりのまなざしにあふれています。さぞよい時間を過ごしているのでしょう、見ているこちらまで清々しい気持ちになるのです。この一年を、あるいは幼稚園生活を締めくくるにふさわしい発表会が間もなく始まります。
どうぞ保護者の皆様、ご家族お揃いでお楽しみにお出掛けください。
教職員一同心よりお待ち申し上げております。
おしまいにこの発表会に寄せて書いた詩を一遍、ここに記します。
『物語という宇宙』
まえだ かん
きみに伝えたいことがある
物語という宇宙をさまようきみに
どうしても伝えたいことがある
たとえば人生は書きかけの絵本なのだと
海へ漕ぎだすのか山へ分け入るのか
結末は読み終えるまで誰にもわからない
だからこそ人は生き、人は物語を紡ぐ
たとえば一冊の小さな絵本の中に
われら人類の
過去と現在
そして未来がある
しかし小さいきみは
まるでそんなことにはおかまいなしに
好きな絵本ばかりを
くりかえし、くりかえし読んでいる
くりかえし、くりかえし読む
そのささやかな物語の中に
もうすでにきみの小さな祈りが託されている
きみに伝えたいことがある
物語という宇宙をさすらうきみに
どうしても伝えたいことがある
物語るということ
それは言葉で語るということだ
言葉はいつか風のように
時には森を焼き尽くす炎のように
やがてきみを捉え、包むだろう
その時、きみは何を語るだろうか?
きみはきみの言葉で
きみにとっていちばん肝心なことを
慎み深く語らなくてはならない
きみの語る言葉はきみの物語なのだから
きみはきみの言葉に耳を傾けなくてはならない
きみはきみの語る言葉を信じなくてはならない
今日という日が来るまで
人々がどうやって生きてきたか
これからきみがどうやって生きていくのか