静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移
(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で7か年を比較したグラフです。
開港7年目の静岡空港は全国的な傾向である中国人観光客の増加の恩恵を受け6月としては過去最高の利用者数を記録して始まった。
前年同月比で約1万8千人の増加である。
ローカル空港としては健闘であるが、静岡空港から入国した外国人を全国比でみればわずか1%のシェアにすぎない。
増加したとはいえ、成田、関空などの国際空港からの訪日外国人の増加から見れば誤差といってもいいレベルである。
一方で、国内線はLCCのある近隣空港との競争激化もあって漸減傾向が続いている。
空港アクセスへの税金補助の強化にもかかわらず、国内線の各路線を見ると福岡便の健闘が目立つものの、全体的に伸び悩みも見られる。7月下旬からの空港運用時間延長に伴い福岡便を1便増やすとのことで利用者の増加は見られるだろうが、経営的に成り立つ搭乗率が確保できるかが今後の路線継続の焦点となろう。
県はアクセスの補助だけでは他空港との競争に勝てないと見て、ついに航空運賃についてもビジネス向けと限定してはいるものの国内線で1人最大6000円、国際線で8000円を現金還元するという税金バラマキに出たが、こういうものは赤字覚悟の安売りと同じで継続すれば大やけど、やめれば客離れというおきまりの最後が見える一時しのぎでしかない。
国際線にあっては、中国路線(定期)の増加が顕著となっている。6月は前年1路線だったものが7路線に増え、これにより2万2千人増え、利用者総数の4割近いシェアを占めるに至る。とはいえ、もともとも利用者数が少ないため伸び率的には多いが、人数的には関空ひとつの国際線の伸びが30万人以上であることから見ても国内需要への貢献としては軽微なものである。
また、7月には中国路線(定期)はさらに4路線増え、一見6割増しに見えるが、これらはすべて週2便であるため、便数的には3割増しである。8千人程度の押し上げ程度しか見込めないレベルと言える。
最後に直近の宿泊旅行統計(4月実績)から県内経済的に見るに、外国人宿泊者数については静岡県内において前年同月比で11万人も増加しているが、静岡空港からの入国外国人は1万人にすぎず、他空港から入国した外国人の方が増加に貢献していることは明らかである。
さらに、日本人合わせた県内宿泊者数に至っては、静岡県内において前年同月比で6万人、率にして3.9%しか増加しておらず、全国の増加率7.3%と比べ劣っている。
すなわち、静岡空港からの中国人入国にこだわるあまり、そこに人材・税金という経営資源を集中投下し、もって国内他地域からの県内への誘客という大きな客層を逃している、と言わざるを得ない現状である。
(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で7か年を比較したグラフです。
開港7年目の静岡空港は全国的な傾向である中国人観光客の増加の恩恵を受け6月としては過去最高の利用者数を記録して始まった。
前年同月比で約1万8千人の増加である。
ローカル空港としては健闘であるが、静岡空港から入国した外国人を全国比でみればわずか1%のシェアにすぎない。
増加したとはいえ、成田、関空などの国際空港からの訪日外国人の増加から見れば誤差といってもいいレベルである。
一方で、国内線はLCCのある近隣空港との競争激化もあって漸減傾向が続いている。
空港アクセスへの税金補助の強化にもかかわらず、国内線の各路線を見ると福岡便の健闘が目立つものの、全体的に伸び悩みも見られる。7月下旬からの空港運用時間延長に伴い福岡便を1便増やすとのことで利用者の増加は見られるだろうが、経営的に成り立つ搭乗率が確保できるかが今後の路線継続の焦点となろう。
県はアクセスの補助だけでは他空港との競争に勝てないと見て、ついに航空運賃についてもビジネス向けと限定してはいるものの国内線で1人最大6000円、国際線で8000円を現金還元するという税金バラマキに出たが、こういうものは赤字覚悟の安売りと同じで継続すれば大やけど、やめれば客離れというおきまりの最後が見える一時しのぎでしかない。
国際線にあっては、中国路線(定期)の増加が顕著となっている。6月は前年1路線だったものが7路線に増え、これにより2万2千人増え、利用者総数の4割近いシェアを占めるに至る。とはいえ、もともとも利用者数が少ないため伸び率的には多いが、人数的には関空ひとつの国際線の伸びが30万人以上であることから見ても国内需要への貢献としては軽微なものである。
また、7月には中国路線(定期)はさらに4路線増え、一見6割増しに見えるが、これらはすべて週2便であるため、便数的には3割増しである。8千人程度の押し上げ程度しか見込めないレベルと言える。
最後に直近の宿泊旅行統計(4月実績)から県内経済的に見るに、外国人宿泊者数については静岡県内において前年同月比で11万人も増加しているが、静岡空港からの入国外国人は1万人にすぎず、他空港から入国した外国人の方が増加に貢献していることは明らかである。
さらに、日本人合わせた県内宿泊者数に至っては、静岡県内において前年同月比で6万人、率にして3.9%しか増加しておらず、全国の増加率7.3%と比べ劣っている。
すなわち、静岡空港からの中国人入国にこだわるあまり、そこに人材・税金という経営資源を集中投下し、もって国内他地域からの県内への誘客という大きな客層を逃している、と言わざるを得ない現状である。