「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

風評被害か実害か、そして静岡県内茶葉・お茶の県検査二日目結果(速報)

2011-05-14 10:33:00 | ノンジャンル
虫の食った跡があるキャベツときれいなキャベツ
曲がったキュウリとまっすぐなキュウリ

ともに食べても問題ないし、味はむしろ虫の食ったキャベツの方がおいしかったりするのだが、消費者が選好し、高く売買されるのは後者である。

これを風評被害というだろうか。

一方、暫定規制値を下回っているものの放射性物質を含んだ茶葉とまったく含んでいない茶葉はどうか?

いくら「健康への影響を心配するレベルでなく、問題がない」とはいっても、消費者がどちらを好むかは別問題。

暫定規制値を下回って健康への影響を心配するレベルではないといっても、消費者が選好せず価格が下がるのは、それが厳然たる事実に基づくものであって、ないものをあるというような「根拠のないうわさ」による被害ではない以上、風評被害ではない実害(商品価値の毀損)が発生しているという厳しい現実と真摯に向き合わなければならない。

さて、今日発表の中で注目は遠く浜松からも放射性物質が検出されたという事実だ。
<県発表値>
「放射性セシウム測定結果  茶の生葉  飲用茶
小山町  生葉120.17Bq/kg
御殿場市  生葉101.17Bq/kg   飲用茶5.87Bq/kg
富士宮市  生葉105.37Bq/kg   飲用茶5.68Bq/kg
藤枝市  生葉96.11Bq/kg   飲用茶6.11Bq/kg
川根本町  生葉61.87Bq/kg   飲用茶4.29Bq/kg
叶?s  生葉39.83Bq/kg   飲用茶3.99Bq/kg
浜松市(天竜区)  生葉94.62Bq/kg   飲用茶5.50Bq/kg
(暫定規制値及び準用値:生葉500Bq/kg、飲用茶200Bq/kg)」

なお、御前崎で浜岡の影響を調べてきた福島原発事故前の生葉の過去の最高値は0.19Bq/kg(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/771.html)であるので福島原発の影響であることが容易に推測できる。


こうして見ると昨日の沼津の検査結果の低さが際立つが、以前にも書いたとおり(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/762.html)「県による検査の方法、例えば葉の上の部分を調べたのか影になっている下の部分を調べたのかも疑問」であり、1か所当たりの検体数も不明(非公開)で、検証のしようもない。

検査検体の採取法からして公表しないのは、そもそも検査方法について明確な手順の基準を作っていないからであろう。神奈川県の14日発表の検査結果では静岡県に隣接の湯河原からでさえ規制値を上回る結果(680Bq/kg)が出ているだけに、案外、静岡県の検査方法はかなりいい加減なものかもしれない。万が一を考えれば空港の需要予測同様、県の意向を割り引いて評価すべきかもしれない。

静岡県内茶葉・お茶の県検査結果(速報)

2011-05-13 21:09:00 | ノンジャンル
<速報>
今日と明日にかけて行われる県内茶葉の検査の今日の結果が19時過ぎになって発表され、静岡市内の茶葉から暫定規制値(500ベクレル/kg)を下回るもののこれまでで最高の138.77ベクレル/kgの放射能が検出された。
このほかの地域からもこれを下回るものの放射能が検出されている。

ちなみに、浜岡周辺でさえ通常は検出されないものなので福島原発の影響と推定される。

<続報>
放射性セシウム測定結果 生葉 飲用茶
伊豆市  生葉98.17Bq/kg   飲用茶8.92Bq/kg
沼津市  生葉44.23Bq/kg   飲用茶4.57Bq/kg
富士市  生葉83.7Bq/kg   飲用茶3.92Bq/kg
静岡市(葵区)  生葉116.61Bq/kg   飲用茶5.68Bq/kg
静岡市(清水区)  生葉138.77Bq/kg   飲用茶10.91Bq/kg
牧之原市  生葉‐   飲用茶6.88Bq/kg
*暫定規制値及び準用値:生葉500 Bq/kg、飲用茶200 Bq/kg

注:セシウムはセシウム134かセシウム137か又はその合算かは公表されていない。意図的に一方だけ公表した可能性もある。


<参考>
先日の御前崎、菊川、磐田の検査結果
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/771.html

炉心溶融を起こしていた福島原発、早くも工程表の「想定外」に

2011-05-12 23:19:00 | ノンジャンル
昨日「1号機へのアプローチについては進展が報道されている」と書いたが、早速今日は1号機でさえ炉心溶融を起こしており大量の汚染水が漏れ、行程表で想定していた冷却手順の見直しが必至になったことが明らかにされた。
元々甘い想定での工程表。おそらく、年末はおろか震災から1年後にあっても終息とはならないだろう。
それでも事態を深刻に見せないのは国民の不安を和らげるためなのだろうが、要は政治家や役人から見て、国民が真実に耐えうると信用されていないということだ。
もっとも、政治家と役人だけではなくマスコミも同様。
今日の新聞で昨日の茶葉やシラスからの放射能検出について報じたのは一部で、扱っても小さなものだった。
一方で公務員以外の人との話題ではお茶の話から出て(汚染が最も心配される)魚や海藻の検査はなぜしないのかということまで心配は拡大している。

検査しなければ放射能が計測されないのは当然であり、検出されないから安全と言われても普通、納得できないだろう。

最近空港問題について筆が進まない。というのも、このような国難と見える事態の中では、家の外で銃撃戦をやっている中で今日の夕飯のおかずについて議論するように感じるからだ。
先日開示を受けた予算書の中には、県自身が空港連絡バスの赤字補てん額の積算根拠として1便当たり1.8人(島田~静岡空港線)などと昨年実績を基に赤字垂れ流しを続けているのだが、アクセスバス委託費が約1億となっても今の震災の「兆」というレベルの話の中ではかすんでしまう。

震災と人災によって大きな国富が失われた。
直近の経済の成長力も危ぶまれる中では、いくら直接の補償者が東電であろうが、また、政府や他の電力会社が支援しようが、ゼロサム的に考えれば被災していない地域の人々から被災地に財が移転するのは間違いない。
その覚悟を国民が共有できるような政府の復興シナリオなければエゴとエゴのぶつかり合いの泥沼に陥るのであるが、共有の前提たる信頼関係が情報操作ともいえる行為によって崩壊しつつある。誠に残念というより不幸なことであるが、それゆえに国や県は権限に執着せず、被災地の町長など住民の信頼のもとにあるリーダーに権限や財源を大きく委ねることが必須なのである。

静岡県の茶葉からも福島原発からと推定される放射性物質を検出

2011-05-11 20:32:00 | ノンジャンル
震災から2か月が経過したが、福島原発の放射性物質の拡散はいまだ継続している。
1号機へのアプローチについては進展が報道されているものの、肝心の3号機にあっては逆に事態が深刻化しているなど、遠く静岡県内にあっても安心できる状況ではない。

その一つが食の安全であるが、今日大きく報じられたのが一昨日9日に検査した神奈川県南足柄産の茶葉から、国が定めた飲食物摂取制限に関する指標である暫定基準値(※この基準自体信じていいのか疑問)を上回る放射能(570ベクレル/kg)が検出されたことである。

問題は静岡県にあっても(暫定基準値を下回るとはいえ)5月2日の茶葉の調査ですでに過去の変動幅を上回る放射能が検出されていたことを今日になって発表したことである。
<記者提供資料から抜粋>(カッコ内は過去の変動幅でNDはゼロレベルの意味)
「4.茶葉【御前崎市内、5月2日採取】
  セシウム134 最大値:41.3Bq/kg生(ND)
  セシウム137 最大値:41.6Bq/kg生(ND~0.19Bq/kg生)
  ヨウ素131 最大値:1.51Bq/kg生(ND)」

また、これ以外にも「たまねぎ」や「しらす」からも過去の変動幅を上回る放射能が検出されている。

この結果を受けて7日に菊川市内の茶葉などを検査したそうで、以下も併せて発表したのであるが、なぜ初めに分かった段階で公表しなかったの、意図が不明である。
しかも相変わらず、どこでどのように検体を採取し、何検体を検査したのかも全く不明である。

<記者提供資料から抜粋>
「上記の結果を踏まえ追加調査を行いました。
【菊川市内、5月7日採取】
   (茶葉)
     セシウム134 50.15Bq/kg生
     セシウム137 60.85Bq/kg生
     ヨウ素131  1.73Bq/kg生
   (飲用茶)
     セシウム134 2.43Bq/kg
セシウム137 1.89Bq/kg
     ヨウ素131  0.02Bq/kg
【磐田市内、5月6日採取】
   (飲用茶)
     セシウム134 0.62Bq/kg
セシウム137 1.31Bq/kg
     ヨウ素131  0.04Bq/kg
 ※飲用茶:製茶した茶葉10グラムを430mlの湯で90℃、60秒間浸出した。」

県は、一応検査はしている姿勢は見せてはいるものの、発表の遅さ、検査対象の少なさ、検査状況の不明などから見て、消費者の安全は二の次になっていると推量される。
しかも、安全性をアピールするあまり単品ごとの放射線と一人当たりの年間被ばく線量限度を比較しているが、茶だけを飲むわけでもないし「しらす」も食べれば「たまねぎ」も食べるわけで、さらにレントゲンやCTの健診を受ければ被ばくするのであって、その全体量との比較が問題になる。
ゆえに、他の多くの食品についても検査する必要があるといえる。
検査をしない(見ない、見ようとしない)ものがどうして安全なのか。

県は「健康への影響を心配するレベルではありません」と強調するが、子どもを含め、それはあくまで「人によっては」の話でしかないことに留意しなければならない。

繰り返し言わせてもらうが、
「真実と真摯に向き合わずに得られる信頼が今の静岡県にあるとでもいうのだろうか」(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/768.html

静岡空港利用者の推移(開港2年目の4月まで)と4月単月実績

2011-05-06 20:55:00 | 静岡空港
今日突然発表された国による浜岡原発の停止要請。
知事(県)は3号機の再開には反対するものの、地元の経済雇用はもちろん他県にも影響の及ぶ問題であることから現在稼働中のものについては停止を求めていなかったが、国という一段上の機関における国民に賛否両論ある中での決断であり、まさに政治判断である。
特にこの判断は国民の生命・財産の保護にかかわる政治判断として尊重されるべきであり、これによって経済的不便を被ることについて、国民は甘受しなければならない。
私見であるが、まずもって、この判断を歓迎するとともに、さらに一歩進めて停止中の原子炉内の核物質についても移転保管等当面の安全対策に遺漏のないよう願う。

さて、先月の静岡空港の利用実績を以下に記す。
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)このグラフは末尾に記載のとおり開港初年の上海便推計データを加味した上で開港初年の実績と2年目を比較したグラフです。
以下、4月実績に基づき傾向を概観する。
<傾向>
3月に引き続き、国内線、国際線ともに前年同月と比べ大きく割り込む結果となっているが、国内線に比べて特に国際線の落ち込みは顕著であり、東日本大震災の影響であることは明らかである。
また、国内線にあっては、FDA松本便がなくなり、FDA新千歳便が復活しているが、国際線はソウル便の大韓航空がデイリー運行をやめるなどしている。

知事の毎年10万人ずつ増えていくとの開港当初の期待とは裏腹に、現状から見るに、開港2年目の実績は、これから残り1か月間しかなく、1年目の実績(約63万人)を10万人下回る53万人以下となることはほぼ確実である。

<4月までの実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H23.4/H22.4):搭乗率[H23.4;H22.4]

札幌線:56.4%(4,427人/7,846人):[36.8%;67.4%]
福岡線:69.7%(5,853人/8,399人):[41.1%;61.3%]
沖縄線:84.5%(4,936人/5,839人):[67.7%;82.5%]
小松線:-%(0人/3,407人):[-%;38.0%]
熊本線:84.6%(1,829人/2,163人):[37.1%;50.7%]
鹿児島線:61.5%(1,731人/2,816人):[36.4%;61.8%]
松本線(3月で路線廃止):=i-人/-):[-;-]

国内定期便計:61.6%(25,263人/30,470人):[43.4%;60.6%]

国内線チャーター便計:-%(0人/0人):[-%;-%]

ソウル線:31.6%(5,277人/16,722人):[48.1%;73.7%]
上海線:不明(1,306人/不明):[46.1%;49.8%]
(なお、不明について、昨年の便数と搭乗率からの概算推計では1,600人程度と見込まれる)

国際線定期便計:推計35.9%(6,583人/16,722+推計1,600):[47.6%;不明]

国際線チャーター便計:26.8%(153人/2,338人):[96.8%;88.5%]

全路線計:推計51.7%(25,512人/47,762+推計1,600):[44.6%;不明(不明除く64.9%)]
(昨年実績不明の上海除く全路線計:50.7%(24,206人/47,762人):[44.5%;64.9%])


(注):上海便の昨年度実績の推計は公表されたデータである平成21年6月4日の開港から1年間の提供座席数38,898と利用者数19630及び毎月の搭乗率(6月40.3%,7月52.7,8月42.2,9月48.9,10月49.2,11月62.5,12月49.3,1月50.5,2月54.1,3月75.3,4月49.8,5月37.9)から概算推計(6月1300,7月1700,8月1350,9月1550,10月1600,11月2000,12月1600,1月1600,2月1750,3月2400,4月1600,5月1200)したものである。