スーパームーン頭上に丸くて固いもの スーパームーン満月であること確か スーパームーン私が死んでも上がる月 黙示録第三章その時巨大な月昇る スーパームーン見上ぐ誰かが空見上ぐ 村出で来よスーパームーンを見上げ来よ スーパームーン飢えたる猫は振り向かず スーパームーンことしは九月の空の下 スーパームーン指原莉乃も観ているはず スーパームーンは中秋月に勝てるのか スーパームーン七泊八日の「涙そうそう」
この炎天走って転んで虚ろなり 炎天やスマホ3台いな2台 炎天や出来る戦争出来やせぬ 狂人にも俳句は詠めるさ炎天下 俳句とは短詩だ炎天の鎮まれり 炎天や隣人は誇大妄想狂 炎天や戦後俳句の狂おしさ 「風になる」って生きてる証しオーイ炎天 大炎天俳人誰もが首打たれ 団塊の世代いまも炎天の劇中劇 またも炎天自衛隊にでも入ろうか 炎天のボタン誰か押してくれないか かの炎天三島由紀夫は生きていた 大炎天生命線の消滅後 俳句といふ虚の瞬間に昼炎上
マツコ・デラックスは太ったカッパ河童の忌 マー君はもう大丈夫河童の忌 ニ十世紀は天国だった河童の忌 せっかくの人生河童に河童の忌 龍之介忌の絶望と希望紙一重 水樹奈々の「深愛」芥川龍之介忌 芥川龍之介忌僕がピアノを弾けたなら 河童忌の句は長からず軽からず この世のものにあらず河童忌の破裂音 河童忌の格差はグローバルなもの まるで俳句のやうな短編小説河童の忌 我鬼の忌の足裏をジッと眺めをり
船団とはよく言ったもの大暑中 カップ麺に蓋をせぬ人大暑かな 天国は地上にあるもの大暑来る 生きるためなら人でも喰らふ大暑かな 生命線の切れ目を知りて大暑来る この曲はいつまでもどこまでも大暑かな 家族なし空ならあるよ大暑の日 新宿ワシントン靴店消滅大暑かな 新宿ビックロ空気のやうだ大暑の日 マイクロ波スカラー波長波大暑来る 俳句で何を得るというのか大暑来る 目測で何人死んだか大暑来る
濃縮しじみカプセルに詰め土用入 BOOK OFFの「白紙の散乱」土用入(尾崎豊詩集) 季語の無い句はわたしだけ土用入 俳人なかば人間なかば土用入 ポツダム宣言受諾す土用の波高し 「見返り美人」わずか10円土用入 冷やしおでんついに捌けず土用入 東京駅の煉瓦のあをさ土用入 二郎ラーメン完食できず土用入 大観音を母さんと呼ぶ土用入(根津光源寺) 沖縄の海は美らの海土用入 土用太郎に次郎がつづきひかります ラマダンの夜風の白さ土用入