寒卵のさむさの所以宇宙にあり 寒たまごプリプリ私もプリプリ 寒卵私は幸せか不幸せか 愛こそすべて寒卵の巨大なリ 鳥獣戯画のどこか寒卵山積みに 寒卵割るには力不足なり 大寒卵「三丁目の夕日」観に行こう 万歳!君と逢えてよかった寒卵 じっくりと手間暇かけて寒卵 寒たまごこのまま何か生まれそう
地獄とはこの世のどこか初閻魔 寒晴れや「皆殺しの唄」彼方より とっておきの白熱いちばん梅落下 ばんえい競馬の1トンの馬雪まみれ 皆んなに鳥のようだと笑われ蓮根掘る 空現れてまた去ってゆく一月尽 湯川さんの見た地獄湯川さんの生きた日本にも 夜廻り先生に後藤さんの安否聞く 寒菫パンジーとどこが違ふのか 枯草をあつめて烈火のごとく焼く
今日は暗いうちから小降りの雨が続いているが気温は高く寒さは気にならない。午後から雨は上がり曇りに変わるので、それを待って行動したい。1月も今週で終り、いよいよ新しい年が本格的に動きだす。俳句も再開後2年目に入り、再開後どのように句(詩)作を方向づけしていくか早速正念場が訪れる。今日は午後の用件の終了後、JR駅前の行きつけの書店で「俳句」2月号を購入する。その後は税法などの学習に移る。先週末に出た初句会はもう二度と出ないつもりなので詳細の書き込みはしないが、私が選んだ特選句だけは紹介しておきたい。 襖しめ箱舟のごと明日あるか 結社句会なので作者名は控えるが、この句を選んだのは20数名中私一人であった。特選はおろか並選(幹部は佳作)すらいなかった。俳句の世界で絶対必要なことは例え大結社や有名俳人でも自分に合わなければさっさと辞めることである。何とこの句会の終了後、支部長の夫人(運営担当)が二次会をパスして帰ろうとする私に追いすがり【うちでやるならもっとわかりやすい句を5句中3句は含めて欲しい】とのたまわった。このような輩がのさばっているうちは俳句の再生はかなわないだろう。私は30年前山口誓子と一度だけ会ったことがある。誓子も同じ考えであった。我が道を行くことこそが俳句にとって唯一の本道である。 寒雨ありわが魂を撃ち抜けり まほろば
白鳥と言えばお仕舞いもう会えない 大白鳥私もいつかどこかで死ぬ はくちょうを一時抱けばもう離れず 極東のアヴァロン白鳥も翔ぶだろう 満蒙の北を白鳥死地とせり 大白鳥その巨大さを魂(たま)とせり 白鳥のはくちょうといふ夢を見た フィンセント・ファン・ゴッホに白鳥ないかと夢うつつ 大施餓鬼供養の卒塔婆白鳥忌 夢見ずともよし白鳥に座を譲る
蝋梅や汝が懐胎を想いつつ 蝋梅は深き眠りの中にあり 山茶花は母系の花かうすれけり 鬱の虚空いそぎんちゃくの蒼さ満つ 十中八九火の中にあり初天神 福笹を振り人生の果てにをり 学び舎の打ち壊されて初天神 十日戎えべっさんなら継父(ちち)のこと 海こえて絵馬走り出す初天神 呆けつつ空押し上げる散紅葉