革命はなかったことに落葉掻く(11月25日カストロ死す) 冬木佇つ茫然自失といふ言葉 放哉のまたもや不発初時雨 冬の滝人工の虚空併せ持つ 着ぶくれてまたも敗者の群れに遭ふ 睨み合ひやがては友に冬の犬 人類史つらぬく蒼さ木の葉散る サバイバルの戦場と化す冬の猫
冬めくや愛と誠が消えてゆく
凍蝶の絶対自由頓挫せり
消しゴムで消せぬ勤労感謝の日
東京五輪またやれるのか三島の忌
冬青空私はいまも弱者なり
凍蝶の絶対自由頓挫せり
消しゴムで消せぬ勤労感謝の日
東京五輪またやれるのか三島の忌
冬青空私はいまも弱者なり
三島忌の公園の鳩発熱す 憂国忌革命とうに死語となり 憂国忌三島由紀夫命とあり 初年兵円陣を組む三島の忌 ISの意味がわからず三島の忌 金閣寺放火の理由三島の忌 東京五輪またやれるのか三島の忌 三島忌の帽子の鍔の腐食せり 神曲が蒼穹に満ち憂国忌 三島忌の見様見真似の虚空(そら)描く 三島忌のカストロ享年90歳(2016年11月25日) 死ぬための雄叫び三島由紀夫の日
消しゴムで消せぬ勤労感謝の日 父に続き母亡き勤労感謝の日 手洗いの作業着勤労感謝の日 フィリピーナの母と子勤労感謝の日 ブラック企業に無いもの勤労感謝の日 石炭風呂消えて勤労感謝の日 無縁墓の父とも勤労感謝の日 天皇を元首に勤労感謝の日 レトルトで足る一日勤労感謝の日 日中韓混在勤労感謝の日 トゥモロー・ネバー・ノウズ勤労感謝の日 まず神に感謝勤労感謝の日 生と死を超えて勤労感謝の日
また春愁バカヤローの文字更新す 冬近し「私は私」と刻印す 赤のまま穴開きジーンズ穿いてみる 初冬や金子兜太はなぜ死ねぬ 一陽来復中島みゆきの「別れうた」 おもむろに勝者の怒り冬はじめ 大阪は敗者の砦冬に入る 冬めくや愛と誠が消えてゆく 時雨忌や巨人の足音迫り来る 枯蟷螂大統領は不実なり 凍蝶の絶対自由頓挫せり もう何も言うまい裸木に火を献ず 妻の死をまだ受け入れず虎落笛 鎌鼬私を殺す虚空のあり