まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

またの世/新一人吟行記~プロローグ5の始まり

2016-05-30 21:46:04 | 一人吟行記
白菖蒲夜の帳をめくりけり  何かある菖蒲の闇の白さかな  猫奔る菖蒲の闇の静まれり  暴走一過環状8号菖蒲咲く  早咲きの菖蒲の園の昂ぶれり  人知れず菖蒲の闇の点灯す  白菖蒲この欄干は越えられぬ  また生きて菖蒲の蒼き空となる  白菖蒲水面を統べる神のあり  花菖蒲王城楽土に耳澄ます  またの世を生きて菖蒲の空はるか  茫として菖蒲の空の果てもなし  空なるもの水面を奔る菖蒲池  花菖蒲空という空波打てり  何もせずただ生きている菖蒲晴  花菖蒲泥から生まれしもの溢れ  菖蒲田の人のかたちの薄れけり  掌を合わせ開けば人や花菖蒲  

ヒップホップの女王/新一人吟行記~プロローグ5の始まり

2016-05-24 00:08:10 | 一人吟行記
讃歌あり菖蒲の園の輝けり  生きるべく菖蒲の浅き黄を愛す  菖蒲田の迷宮めきて空遠し  やがて来る死は海中に花菖蒲  老犬の幽けき菖蒲見て過ぎぬ  突き抜けて菖蒲の無言押し通す  花菖蒲何故白ばかり咲き急ぐ  大孤独虚空に託し花菖蒲  長生の蒼き水面に菖蒲咲く  平成なる世を生き通し花菖蒲  一雨を待つこと久し菖蒲燦  また生きて菖蒲に水を張る夕べ  花菖蒲ヒップホップの女王とあり  再生す菖蒲咲く日の遠からず
 

この世のどこか/新雑句雑感(85)~プロローグ5の始まり

2016-05-23 01:39:16 | 新雑句雑感
揺れているクリストファー・コロンブス忌の生卵  五月十六日に死んではをらず透谷忌  肉片がかなたこなたに東条忌  あの世とはこの世のどこか時彦忌  とてつもなく悪い子だった義平忌  井泉水忌水とは無縁の村を出る  万太郎忌のお前はお前俺は俺  虚子の忌の堕胎は一度や二度ならず  何もない何かあるはず健吉忌  アドルフ・シュタイナー忌のやっと会えた父無し子  まだ地上にあり愛心覚羅溥儀の忌  角栄忌ブルドーザーは無心なり  草田男忌平成の世の暗がりに  セクシュアルバイオレットはばからず桑名正博忌  はうはうの体でジミ・ヘンドリクス忌の青空 

ボッタクリバー/新雑句雑感(84)~プロローグ5の始まり

2016-05-21 23:27:05 | 新雑句雑感
小満やこの世に一歩踏み出せり  四迷忌の四つの迷ひ暴発す  小満や末期の水のほの苦く  槍投げの見ぬちの果てや登四郎忌  余花とあり新宿歌舞伎町ボッタクリバー  あたらしき世に汝が名無し登四郎忌  余花千本ただそれだけの船着場  余花見むと日記に余白見当たらず  ほんたうは余花とは落花の別称なり  余花暗し死ぬために生きているのだろう  旧年札山と積まれし余花の寺  東京のとどのつまりに余花の空  余花の雨わたしも打たれ血の雨に  余花晴れてDAIGOと景子薄れけり  余花遥か桜はこの世のものならず  ほんの一閃雷鳴響く余花の街  鉄片を身の内に持つ余花の雨(傷痍軍人記念館)   

茫といふ字/新雑句雑感(83)~プロローグ5の始まり

2016-05-20 02:20:17 | 新雑句雑感
夏めくや私のネガが見当たらぬ  夏兆す酒めし処東片北(北品川) パーフェクトブルーは無かった夏兆す  クリスビーのUFOめきて夏兆す  ダックスフンドの股下5センチ夏兆す  首筋の何の刻印夏兆す  ピーマンをまず縦に割る夏始  茫といふ字が好きになり夏兆す  二丁目に三鬼が溢れ夏兆す  ベニスに死すあれは三鬼か夏兆す  ニッポンは旗持たぬ国夏兆す  シスターが俳句たしなむ夏始  必勝とは何もせぬこと夏兆す(競馬必勝法を完成) 夏めくや駅前にある骨董屋  夏めくや駅前通小走りに  品川にミニチュアの富士夏兆す  沖縄にまた神隠し夏兆す  ラーメンに似ても似つかず夏めける