何もかも青し一月尽きにけり 帰すことの出来ぬ悲しさ一月尽 一行で語り尽くせず一月逝く 一月尽トランプとは誰なのか 脳内でジタバタするな一月尽 「言葉の内なる秩序」一月尽きてをり(松山宣言1999) むべなるかな言葉を発す一月尽 我もまたカンダカたるや一月尽 キルケゴールまたもや不発一月尽 死に至る病ふたたび一月尽 あれもこれも否あれかこれか一月尽
寒の鵙戦争はもうコリゴリだ 地獄絵図俺もいたよな冬の鵙 トップランナー海へ飛び込む冬の鵙(涼野海音さん) 俳句大賞もうひとつ欲し寒の鵙 句会に出ても無駄寒鵙の落下せり ルワンダ帰りのテク犯被害者冬の鵙 戦場で強姦多発冬のもず 東京メトロ地上を疾走冬の鵙 寒の鵙あの世はストリップのようなもの 俳句には季語などいらぬ寒の鵙 都会こそわたしの故郷冬鵙死す 俺の死後何も残さず寒のもず(金子兜太) 再生の芭蕉と知らず寒の鵙 個人誌レコンキスタ冬の鵙よみがへる
常住山法立寺とも寒月下 一級道路警備士の父年迎へ 少女像撤去は誤報寒なかば 開かずの踏み切り開けぬ人間探求派 冬こだま「夫のちんぽが入らない」(驚異のベストセラー!~多様性の中の不寛容~) 寒鳩はくずだね浪速のエリカさま 自由の森カチンの森とも冬日向 雪しまき耳を澄ませばみなごろしのうた エヘン虫エヘン無視エヘン無私咳けり
ふくら雀私のどこが気に入らぬ ふらふらとふくら雀と闇の中 ふくら雀何やら宙のけたたまし 近づけどまた離れゆく寒雀 餌の無くて友にもなれず冬雀 猛きものふくら雀に見せぬやう 静もりて枝の光ります寒雀 ポケモンのまさか友かと冬すずめ いかほどの幸をついばむ初雀 妊婦かとふくら雀を讃えをり 公園の闇一掃す寒すずめ 都議選はまだ先のこと寒すずめ ともに生きふくら雀の虚空となる
炉語りや誰か灯油を買って来い 炉話のベトナム・パレスチナ・三里塚 炉話の就職はまう決まったか 炉話の80年安保はスカだった 炉にひとり明日が最終決戦です(1975年の成田闘争前夜) 炉明り絶つダークタワーのそそり立つ 炉話の拓郎のガン完治せず 安保後のすべてエグザイルの虚空となる イデデーオDAYー0地上に炉火ひとつ 炉の揺らぐ新宿アパホテル炎上す トランプの破綻はいつか炉火つづく