5・I remember you
セイジは善戦したが、TKOで敗れた。
相手が悪かったとしか言わざるを得ない。
彼は、後にタイトルマッチに出場するような選手だった。
もちろんセイジを応援していたが、開始してしばらくすると、
「強い。これはきついか。」
そう思ったのは俺だけではないはずだ。
相手の選手は、同じクラブボクシングのワイルドカード天王町の所属だった。
ワイルドカード天王町は、他にもオヤジファイトに出場している選手が多く、
クラブボクシング系列ではエリート集団と言えた。
俺は敗北という現実にうなだれるセイジを心配しながらも、
歓喜の渦に包まれている相手陣営
を羨望の眼差しで見ていた。
「いつかは俺も・・・。」
心の中で呟いたその時だった。
相手選手を拍手で迎えるセコンドの男の顔。
全身に鳥肌がたった。
一瞬にして、5年前のあの記憶が蘇った。
「シバノフ・・・。」
思わず口に出して呟いた。
隣にいたドネアが耳を近づけて
「え、なに?」
と聞いてきた。
俺は、我を取り戻した。
「いや、何でもない。」
そして2ヶ月後、再度俺は鳥肌に襲われた。
ゴールデンボーイジム湘南のチーフトレーナーが人事異動で交替したのだ。
そろそろやめたいけど、もう少しつづく
セイジは善戦したが、TKOで敗れた。
相手が悪かったとしか言わざるを得ない。
彼は、後にタイトルマッチに出場するような選手だった。
もちろんセイジを応援していたが、開始してしばらくすると、
「強い。これはきついか。」
そう思ったのは俺だけではないはずだ。
相手の選手は、同じクラブボクシングのワイルドカード天王町の所属だった。
ワイルドカード天王町は、他にもオヤジファイトに出場している選手が多く、
クラブボクシング系列ではエリート集団と言えた。
俺は敗北という現実にうなだれるセイジを心配しながらも、
歓喜の渦に包まれている相手陣営
を羨望の眼差しで見ていた。
「いつかは俺も・・・。」
心の中で呟いたその時だった。
相手選手を拍手で迎えるセコンドの男の顔。
全身に鳥肌がたった。
一瞬にして、5年前のあの記憶が蘇った。
「シバノフ・・・。」
思わず口に出して呟いた。
隣にいたドネアが耳を近づけて
「え、なに?」
と聞いてきた。
俺は、我を取り戻した。
「いや、何でもない。」
そして2ヶ月後、再度俺は鳥肌に襲われた。
ゴールデンボーイジム湘南のチーフトレーナーが人事異動で交替したのだ。
そろそろやめたいけど、もう少しつづく