「わが幻の吉原」というエッセイや縄田さんとの対談を読むと隆慶一郎さんの人となりや経歴がよくわかった。歴史小説において歴史と人物と、どちらが主になるか、従になるかという問題に対しての答えは『人物が魅力的じゃないと、書く気が起きないですね』と明解だった。
日本武尊に非常に魅力を感じているとも話していた。取り扱う対象としての時代幅についても『魅力的な人間がいる限り、僕の勉強が及ぶ限り(笑)』とブレがなかった。ただ幕末・維新に関しては『維新というのは判らないですねえ。あまりに利害が錯綜していて。僕にはよく判らないんですよ。』『やってる当人は純粋なのかもしれないが、結局はどこかの利害に踊らされているところがあるでしょう。そこが嫌なんです』と言い切っていた。
そのことを考えると幕末の暗殺事件の中でも謎の多い姉小路卿暗殺に1つの解釈を試みた『異説 猿ヶ辻の変』は貴重である。この対談があってこそこの短編が収録されている意味がわかる。
間髪おかず『一夢庵風流記』に没入している。
日本武尊に非常に魅力を感じているとも話していた。取り扱う対象としての時代幅についても『魅力的な人間がいる限り、僕の勉強が及ぶ限り(笑)』とブレがなかった。ただ幕末・維新に関しては『維新というのは判らないですねえ。あまりに利害が錯綜していて。僕にはよく判らないんですよ。』『やってる当人は純粋なのかもしれないが、結局はどこかの利害に踊らされているところがあるでしょう。そこが嫌なんです』と言い切っていた。
そのことを考えると幕末の暗殺事件の中でも謎の多い姉小路卿暗殺に1つの解釈を試みた『異説 猿ヶ辻の変』は貴重である。この対談があってこそこの短編が収録されている意味がわかる。
間髪おかず『一夢庵風流記』に没入している。