塩鯛さんの噺を初めて聞いたのは八幡の松花堂での落語会だった。当時は桂都丸であった。他の演者を圧倒する存在感を感じた。その後、2010年に四代目桂塩鯛を襲名し、襲名披露公演など精力的に活動していたがタイミングが合わずご無沙汰となった。
還暦記念ということで京都の南座で独演会があるという情報を得たときは何があっても行かねばという気持ちになった。しかも、ゲストが東西の落語協会の会長柳亭市馬師匠と桂文枝師匠という豪華な顔ぶれである。
四条通は観光客でいっぱいであった。特に、旧正月をひかえていることもあり中国、台湾からのツアー客が多かった。南座も満員御礼がかかり開場を待つ人でギッシリであった。
柳亭市馬さんは昨年兄弟子である柳家小三治さん(74)の後を継ぎ、落語協会会長に52歳という若さで就任した。協会発足以来の最年少会長である。
声のよさと粋な舞台は話には聞いていたが生で聞くのは初めてである。冒頭相撲甚句を披露して場の空気を一気に引き寄せた。演目も南座ということで「七段目」であった。「粋だね」と後の女性がつぶやいたが上方落語にはない味である。堪能した。六代目桂文枝さんもますます油にのってきたという感じである。演目の「恋は待ったなし」は先にテレビで初ネタおろしということで演じたのを見ていたが、アドリブが活きてくるので生は面白さが違う。
塩鯛さんは開口一番で、桂朝丸(現・ざこば)師匠に入門した頃のなつかしいエピソードで笑わし、二席目の酔っぱらいが主人公の「替り目」では、持ち味をいかんなく発揮し、トリでは「帯久」という米朝師匠の十八番にチャレンジした。人物の演じ分けが鍵をにぎるむずかしい噺だと思うが、ラストに向かってグイグイと舞台に引き付けられた。
プログラムを見た時、なんで狂言があるのかと思っていたが、数年前から茂山七五三さんのもとに稽古に通っているとのこと。還暦記念ということで張り切っての大サービスである。師匠の七五三さんを相手役に〈鬼瓦〉を演じた。狂言に関しては初心者だということが師匠と一緒の舞台に立つとわかる。声の出し方、所作の決まり方が全然違うのである。この発見も貴重であった。
とにもかくにも、3時間たっぷり堪能させてもらった。これから上方落語をしょって行く一人だろうなということを確信した。
還暦記念ということで京都の南座で独演会があるという情報を得たときは何があっても行かねばという気持ちになった。しかも、ゲストが東西の落語協会の会長柳亭市馬師匠と桂文枝師匠という豪華な顔ぶれである。



声のよさと粋な舞台は話には聞いていたが生で聞くのは初めてである。冒頭相撲甚句を披露して場の空気を一気に引き寄せた。演目も南座ということで「七段目」であった。「粋だね」と後の女性がつぶやいたが上方落語にはない味である。堪能した。六代目桂文枝さんもますます油にのってきたという感じである。演目の「恋は待ったなし」は先にテレビで初ネタおろしということで演じたのを見ていたが、アドリブが活きてくるので生は面白さが違う。
塩鯛さんは開口一番で、桂朝丸(現・ざこば)師匠に入門した頃のなつかしいエピソードで笑わし、二席目の酔っぱらいが主人公の「替り目」では、持ち味をいかんなく発揮し、トリでは「帯久」という米朝師匠の十八番にチャレンジした。人物の演じ分けが鍵をにぎるむずかしい噺だと思うが、ラストに向かってグイグイと舞台に引き付けられた。
プログラムを見た時、なんで狂言があるのかと思っていたが、数年前から茂山七五三さんのもとに稽古に通っているとのこと。還暦記念ということで張り切っての大サービスである。師匠の七五三さんを相手役に〈鬼瓦〉を演じた。狂言に関しては初心者だということが師匠と一緒の舞台に立つとわかる。声の出し方、所作の決まり方が全然違うのである。この発見も貴重であった。
とにもかくにも、3時間たっぷり堪能させてもらった。これから上方落語をしょって行く一人だろうなということを確信した。
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