https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190411-00000072-sasahi-hlth略
Q漢方には副作用はないの?
A副作用はありますが頻度は低いです
西洋薬に比べると頻度は低いですが、漢方薬にも副作用はあります。その多くは生薬に対するアレルギー反応です。食べ物でアレルギー症状が出る人がいるように、特定の生薬にアレルギー反応が出てしまう人がいます。服用後に気になる症状があれば医師に相談しましょう。
Q漢方を飲み始めたら体調が悪くなった気がする…。これって副作用?
A体調悪化のあとに症状が改善するという考え方も
漢方には、漢方薬が効いていく過程で、一時的に体調が悪化する「瞑眩(めんけん)」という特有の考え方があります。例えばある漢方薬を使い始めたところ、最初は下痢になっていたけれど、数日使い続けているうちに安定して、主訴であった症状も急に改善したというような場合です。瞑眩の症状には、下痢、嘔吐、発熱、発疹、鼻血などがあります。
ただし、これらの症状は副作用でも起こるもので、それが瞑眩によるものなのか副作用なのかは医師によっても判断が分かれるところです。もちろん、患者が見分けることはできません。このため、漢方薬を飲んで症状が出たら、がまんして飲み続けるのではなく、気軽に医師に相談しましょう。
Q副作用を防ぐ方法ってある?
A長く服用する場合は定期的に肝機能の検査を受けて
副作用を起こしやすい生薬はある程度決まっています。こうした生薬をとりすぎないことが大切です。特に自分で市販薬を複数選ぶ場合に、同じ生薬が入っていないかどうか、確認しましょう。
長く服用する場合は、定期的に肝機能の検査を受けること。肝機能障害があると、間質性肺炎を起こしやすくなるという報告もあります。
また循環器系や腎臓の病気がある人が、甘草を使うときは注意が必要です。持病がある人は必ず医師か薬剤師に相談しましょう。
Q副作用にはどんな症状があるの?
A最もよくあるのが胃もたれなどの胃腸症状です
日常的に起こりやすい副作用は、胃がもたれるなどの胃腸症状です。症状があれば薬を中止して医師や薬剤師に相談しましょう。それは患者の体質を知るうえで重要な情報にもなります。発疹などの皮膚症状もアレルギー反応として出やすい症状です。
一方、重篤なものでは、まれですが間質性肺炎や甘草による「偽アルドステロン症」、山梔子による「腸間膜静脈硬化症」などがあります。
Q副作用が出やすい漢方薬ってあるの?
A服用量や期間により副作用が出やすい生薬があります
漢方薬に副作用があると広く認識されるきっかけとなったのが、1996年の「小柴胡湯(しょうさいことう)事件」。慢性肝炎で処方された小柴胡湯を服用した患者が間質性肺炎で亡くなったという事件です。これは小柴胡湯に含まれる黄ごんが原因と考えられています。
また、甘草は主成分にナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促す作用があり、血圧の上昇やむくみが起こる「偽アルドステロン症」の副作用が出ることがあります。量が増えるほど副作用の頻度が高くなるので、とりすぎに注意しましょう。
山梔子を含む漢方薬を5年以上服用すると、腸管が慢性的に虚血状態になる「腸間膜静脈硬化症」の副作用が出たという報告も。腹痛や下痢、便秘、腹部膨満感などの症状が出ます。