ドッグフード原材料シリーズも回を重ねるに連れて、色々補足したいところが出てきます。
取り上げてきたドッグフードは輸入されたものが多いので、生産国での規制や定義についても
何度か触れてきました。
日本で販売されている輸入フードはアメリカやカナダなど北米からのものと
イギリスやドイツなどヨーロッパからの2つが大方を占めています。
このブログで取り上げてきた、それら輸入フードにはこんな感じの傾向があります。
- プレミアムフードと呼ばれる高価格帯の製品
- 小規模メーカーが製造したものを、小規模代理店が輸入販売している
- ミールや副産物を使用していないことをアピールしている
「で?おかーさんはまた文句があるんですね?」
うん、そう。
ミールや副産物を使わず、精肉を原材料にしていることをアピールするのは良いのですが
各ブランドのサイトや商品説明文において、ミールや副産物の定義が間違いだらけ!
「毛やヒヅメなどは使用していません」「血液や皮などの部位は使用しません」など
は、定義として間違いです。
ですので、もう一度ミールや副産物についての定義を確認しておきましょう。
↑去年の2月に書いたものです。
アメリカのAAFCOとヨーロッパのFEDIAF、それから日本のミールおよび副産物の定義です。
もう一度まとめておくと...
AAFCOのミールの定義は「肉類を加熱して油脂を搾った後、細かく挽いて乾燥させたもの」
この肉類というのは人間用の精肉を取り分けた残りの部分で、骨や脂肪も含みます。
血液、毛、ひづめ、角、皮、羽、頭、足、内臓は含みません。
ミールに含まれない内臓肉などは副産物やバイプロダクトと呼ばれます。
具体的には肺、脾臓、腎臓、脳、血液、骨、胃、内容物を含まない腸です。
血液、毛、ひづめ、角、皮、羽は含みません。
FEDIAFのミールの定義は「加熱乾燥して水分と油分を取り除いた肉およびその派生物」
肉の派生物というのは、人間用の精肉を切り分けた残りの大部分のこと。
つまりAAFCOで言うところの副産物も含めてミールにしています。
またミールに加工していない副産物がそのまま原材料になる場合もあります。
この場合は副産物とかバイプロダクトと表記されます。
副産物に含まれるのは、心臓、大動脈、腎臓、肺、肝臓です。
血液、毛、爪,角、皮、羽、歯、くちばし、ひづめは含みません。
FEDIAFの定義する副産物を見ていただくと分かるように、ほとんどは内臓肉です。
ですからEU加盟国のフードでは、高い価格帯のプレミアムフードでも副産物を含むものがあります。
アメリカや日本のペットフードサイトが「原材料に副産物が使われているフードは避けて」とよく言っていますが
ヨーロッパEU加盟国のフードではそれは必ずしも当てはまりません。
「じゃ当社のフードにはヒヅメとか入ってないよ!って言う説明ダメじゃない!」
そうなのよ、ニヤ。
このようにAAFCOでもFEDIAFでも、規定上はフードにヒヅメや毛が使われることはありません。
(実際には加工の際に取り除き切れない毛や血液が入ることはあり、それは許容されています。)
この基本的な規定や定義を無視して説明文を書いている代理店の何と多いことか!
ペットフード業界のピンキリ度を考えると「取り除き切れない部分が入り過ぎだろう!」という製品もまああるでしょう。
しかし正式な製品の説明文ではフォーマルな定義に沿って欲しいと思いますね。
あ、上で「プレミアムフード」という名称を使いましたが、この言葉には規定も定義もありません。
つまりメーカーの意向次第で、どんなフードでもプレミアムと名乗ることができます。
ホントややこしいですよね、フード業界😩