神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.76 私の

2024-02-10 23:54:49 | 余録

     朴:いとものくるほし
    
 「お宝鑑定団」というテレビ番組があります。
 あれを見ていると、伝家の品や収集品の評価を知りたいという人、収集品の自慢に来る人、テレビ出演したいから何かを探して持って来た人など様々で、人生模様がわかる場合もあります。
 
 『神足勝記日記』を編纂して神足が何かを系統的に収集したということは気付きませんでしたが、能の本だとか山梨の雨畑硯など、その時々に買ったり贈られたりする場面があって、喜んでいるのを感じたことはあります。
 しかし、神足が終生大事にしたものといえば、やはり品川弥二郎に書いてもらった揮毫「信与誠」でしょう。
 『御料局測量課長 神足勝記日記 ―林野地籍の礎を築く―」日本林業調査会(J-FIC)の102ページ上に掲げておきましたからご覧ください。額装されて飾られていたそうです。(神足勝浩氏はこの写真を、やがて私が何かをまとめる際に役立つであろうからと、上記の本の冒頭に使用した写真ともども送ってくださいました。)
  
 私は不細工で、とりたてていうほどのお宝などは持っていません。しかし、ヒマがあると、例の弁当食べの一環で、毎月5日に開催される五日市〔あきる野市〕の骨董市〔フリーマーケット〕にヒヤカシ〔見るだけ〕で出かけます。
 アシはたいがい電車ですが、何回か自転車で行ったり、ミニサイクルを持って行ったりしたことがあります。あまり高価でなくておもしろいものがあれば買います。
 今日は、そのうちの1点を紹介しましょう。


      大きさは手のひらに入るほどです。
 
 1ヶ所直しがあり、側面に何か彫られています。(じつはこれに引かれて買ったのです。)読み取ったところ、次のようにありました。〔/は行替えの意〕
  
  大正十年/御渡欧

       御膳/比呂女煮
  京都釜座/竹屋町上ル
  旧禁裏/御所御用/三十一代
  松前屋/文右エ門
  藤原朝義 花押
 
 これは、昭和天皇が皇太子の時に渡欧した際の記念の品のようです。
 このお店は、二条城からそう遠くない府庁の付近にあります。現在は32代で、代々「文右衛門」を継承し、かつては「藤原」を、今は「小嶋名のる老舗とのことです。
  
 せっかくですから、気に入っている猪口〔盃〕2点をご披露しましょう。
 気に入っているというだけで、高いものではありません。
  
 1.これは中国製のお土産でしょうか。
 見たままのもので、模様はありません。うらに、角印が押されています。
 
           形がスッキリしています。

 2.もう一つは、茶わん屋で見つけたものです。
 値段を言うと笑われるでしょうが、300円で転がっていたものです。
 焼き方からいうとそうかもしれませんが、私は焼き方はわかりません。絵柄の方が興味があります。
 篭に同じものが何十個も入っていて、見ると一つ一つ絵が違うのです。
 型を押したのでなく、へらか何かでチョンチョンと模様を付けたのでしょう。そういう過程で偶然に均整の取れたものが生まれるところに魅力を感じます。次の1点はそうして生まれたものです。民芸の美を感じさせるイッピンです。


 〽さ~け~よ ここ~ろが~ あ~るな~らば~

 

  

コメント
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