三輪休雪といえば白の釉薬(休雪白)をかけた萩焼で、350年の歴史がある窯元です。
白釉は11代が考案したもので12代の方から個性的な荒々しいごっつい感じの焼き物になりました。革新的な焼き物です。
今は13代。この方の花入れ制作過程を映しています。20㎏程の土を脚や棒でたたいてして、錆びた刀で土を切ったり削いだりいして、形を作ります。刀の錆が削ぎ跡に良い味を出して荒々しくさせてます。
土の方で「ここを切ってくれ、削ってくれ」と言われているようで、土と対話して削ったり切ったりしているそうです。
この大きい花入れに釉薬をかけるのが大変、4人がかりで立てたり回したり止めたり・・・驚いたことに釉薬は真っ黒。これが焼きあがると白になります。
焼きあがった高さ50cmくらいのどっしりとした花入れ、これだけで素晴らしいオブジェになりますが、柳と椿を入れて床に飾られていました。
抹茶茶碗 銘「エル・キャピタン」は米国ヨセミテ公園で見た豪快な一枚岩から着想を得たのだそうです。
高さ10cmくらいで雪をかぶった屹立した岩壁のようで重量感のあるお茶碗です。
飲み口はぶ厚く ここもゴツゴツした感じで飲みにくそう。アナウンサーの方がそのお茶碗でお薄を頂きましたが、「口からこぼさないで飲めました」とホッとされていました。飲みにくそうでもあり,点てにくそうでもあります。
13代の方曰く「お茶を飲むのは何かホッとする癒しと言われるが、私は飲むことで力が湧く、覚悟ができる・・戦いに向かう昔の戦国武将の気持ちのような茶碗です」と。ナルホド・・・
先代楽吉右衛門さんもごつごつした岩を思わせるお茶碗を作っていらっしゃいましたが、13代三輪休雪さんのお茶碗はさらに激しい岩の塊を感じさせるお茶碗です。
もはやこういうお茶碗で凡人はお茶を頂く機会はなく、美術館でしか会えないアート作品なのではと思いました。