宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

うい らぶ えまき絵巻マニア列伝展@サントリー美術館

2017-04-06 10:52:30 | 美術



絵巻は、物語に挿絵がある今でいう絵本。
物語りが挿絵によってわかりやすく、また文学と書、絵画が鑑賞できるものです。

後白河院や花園院、後崇光院、足利歴代将軍になどに好まれたとされる絵巻が展示されています。
《玄奘三蔵絵絵巻》《病草紙断簡》 《桑実寺縁起絵巻》《矢田地獄縁起絵巻》等々。

挿絵で状景を想像しつつ物語や歴史を読むのはどんなにか楽しかったでしょうと思います。

巻物を巻きながら読み進んでいくものですから、展覧会では残念ながらその一部開いたところしか見られません。しかし今回はかなり長く場面が出ていました。

文字も能書家が流麗に、絵も絵師が緻密に丁寧に描かれていて、素晴らしいアートです。

巻物を断簡されたものも展示されていましたが、これは残念なことです。

巻物は大作でも保存するのがかさ張らず便利です。
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煤竹の茶筅

2017-04-01 19:48:37 | 茶道
小習16ヶ条の中の《貴人清次》の点前で、貴人には真新しい道具を使います。由緒あるものより真新しいもの、茶碗・貴人台・柄杓・茶巾・茶筅・茶杓などです。
茶巾・茶筅は貴人と清次(お供の人)で同じものは使いません。茶巾のたたみ方も違えます。
茶筅は貴人には白竹を、お供には煤竹を使うのが正式。

しかし、昨今 煤竹は大変貴重です。というのも煤竹は古民家の内装に使われ、永年の煤が付着して茶色になった竹だからです。そういう古民家はもうなかなかありません。

我が家で永年使っていた煤竹の茶筅が穂先が随分欠けて寿命となりました。
しかし上記の理由で今や煤竹の茶筅はびっくりするほど高価・・・そこでしみ竹(黒竹)でできた茶筅を買いました。この茶筅は官休庵武者小路流で使われているそうです。



2007年1月号「PEN」によると、流派によって使われる茶筅はいろいろです。



ところで現代は貴人などいません。このお点前を稽古するのは、とても大事な方にお茶を差し上げる状況を想像して特に丁寧にすることにあります。

追記:黒竹の茶筅を使ってみました。薄茶を点てましたが、なんともやわで、頼りない腰のない茶筅でした。泡を全体に点てる裏千家流にはやはり向かないかもしれません。
コメント (2)
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