「トロール・ハンター」に続き、楽しみにしていたノルウェー映画
ノルウェーの孤島に存在した少年向けの矯正施設の真実と、
そこに収容されていた少年たちによる命を賭した反乱を描くサスペンス。
ん?サスペンスかなぁ?実話ベースのストーリー。
少年は語る。
銛を撃たれても弱ることなく人間たちを引きずり回していく巨大鯨と、それに翻弄される捕鯨船…
1915年に実際に起った、軍隊による子供を対象とした虐殺事件を映画化。
ノルウェーで大ヒットを記録し、同国の権威あるアマンダ賞で最優秀作品賞など4部門を受賞した。
監督はマリウス・ホルスト。
オスロ市南方75kmに位置する孤島・バストイ島には、1900年から8歳~18歳の少年たちを更生させるための矯正施設があった。
そこに非行少年・エーリングが送還されてくる。裸にされ、C19と言う番号で呼ばれる。
エーリングはそこで、イジメのような重労働の懲罰や、教育者による性的虐待など
外界から隔絶された施設のあまりにも理不尽な現実を目の当たりにする。
王のように君臨する院長に、ラース・フォン・トリアー監督作常連のスウェーデン俳優、ステラン・スカルスガルド。
最近では「マンマ・ミーア」「ドラゴンタトゥーの女」でも印象的。
そしてもう一人の悪人顔、冷徹なプローテン寮長に、クリストッフェル・ヨーネル。
反乱の主軸となる屈強の新人、エーリング少年C19とは対照的な、
卒院を間近にしたC棟のリーダー優等生オーラヴは親しくなる。
エーリングの抵抗は、次第に今まで抑圧されていた少年たちの心を突き動かし、
生死をかけた反乱を引き起こしていく。
あらゆる欲求も押さえつけられる少年達。
しかし
反抗は体罰では抑圧出来ないもの
ここに収容されていたのは、人を殺したなどの重罪で社会生活で危険を及ぼすなどでなく
盗みを働いた、くらいの子供たちまで。 畑仕事や様々な事をやらされて監視のもと、質素に生きる。
内気な少年C5ことイーヴァルがブローテンから性的暴行を受けていた事が表沙汰になる。
オーラヴは院長に訴えるが、あっさり聞いてもくれない。
その後、イーヴァルが入水自殺してしまう。
それさえも院長は、脱走に失敗して溺れ死んだと処理し、その責任としてブローテンを本土へ送り返す。
C棟の少年が喜ぶのも束の間、数日間でブローテンが島に戻ってきていよいよオーラヴも怒りが爆発して、、、
ついにやり込めたと数人で船で逃げようとするも、
院長は、今度はなんと軍隊を連れて戻ってきたのだった!
抑圧されたこの孤島から、逃げる事は不可能なのか?
もう二度と、自由を手にする事は出来ないのか?
7/10(70点)
北欧の寒々しい青みがかった風景がなんとも閉塞感を生んでいる。
サスペンスと聞いてたからもっとハラハラする系なのかと思っていたら
意外と淡々としていた。
けど実話ベースということで、保安が行き届き事件の少ない安全な国というノルウェーのイメージが
暗く恐ろしい空気感が漂っていた。
有名な俳優達はステラン以外出てないというのがリアル感を生んでる。
ステラン・スカルスガルドももちろんいいけど、寮長プローテンがまた憎くて良かった。
後半で、反乱を起こしたあとで閉じ込められるあたりから面白くなった。
すごすごと帰って行った院長が、子供を相手にまさか軍隊をよこすとは。
生き抜くこと、自由への渇望を諦めなかったエーリング。
海が凍り、大陸を歩いて渡れる希望を見出し 足を痛めた友を担いで
割れそうになる水面を進んで行った先で、結局選ばざるを得なかった結末が哀しい。
バストイ島は1970年に一旦施設は閉鎖され、1988年に刑務所として再開。
でもそこは、以前とは180度変わった世界になっているという。
1915年。ノルウェーの首都オスロ南方の海に浮かぶ バストイ島。ある日ここに、エーリングという少年が送られてくる。そこは非行少年を矯正するための収容施設だった。しかし、外界から隔絶されたその施設で は、絶対的な権力を持つ院長の下、冷酷で陰湿な寮長による非人道的な管理運営が行われていた。これに反発して脱走を企てては捕らえられ、そのたびに過酷な懲罰を受けるエーリング。一方、優等生のオーラヴはすっかり反抗する気力も失い、理不尽な抑圧にも従順に堪え忍ぶ道を選んでいた。そんなオーラヴの態度に 不満が募るエーリングだったが…。
Kongen av Bastøy ノルウェー/フランス/スウェーデン/ポーランド 2010年 117min
4月28日より、ヒューマントラストシネマ有楽町にて公開中~
3人で劇場へ行って、「ステラン・スカルスガルド」とそれぞれが噛まずに言えたら一人千円だって。(笑)
それにこんな劇場用マナーCMまで。
『孤島の王』マナー予告