ハリウッド的に言うなら「今年絶対、見逃せない1本」
まさかこの地味なポスターのファンシーな作品が、こんな素敵な映画だったなんて。
米の「サタデー・ナイト・ライブ」で活躍するコメディユニット“GOOD NEIGHBOR”のメンバー、
本作で主演のカイル・ムーニー脚本✖️同じくメンバーのデイヴ・マッカリー監督作。
単純に、着ぐるみクマと青年の友情ファンタジーかと思ったらそうじゃない。
脚本もしっかりよくできてる、みんなに愛され系ほんわかコメディドラマ。
オチがどうこうという映画ではないけど、レビューしておきながら言うのもなんだけど、情報なしのまま観た方がオススメ。
途中から内容の核心に触れます それまでは大丈夫なのでご安心を
主人公、ジェームスはいわゆるオタク青年。
教育番組「ブリグズビーベア」が大好きすぎて、子供の頃からビデオテープが擦り切れるまで
何100本とコレクションしてるビデオを毎日繰り返し観てるし、
部屋はブリグズビーベアグッズであふれ、ネット上ではファンサイトを公開し、独自に研究までやっている。
実はこの状況、観ているとちょっとおかしなことに気づく。
外に出るときはガスマスクをつけて出る。基本、ほとんど外には出ない。
毎日、お祈りしてご飯を食べ、ブリグズビーベアのビデオを見て、パソコンやって、決められた時間になると電気を消される。
その繰り返しの日々。
ジェームスがある夜、家の外に出ていると遠くから数台のパトカーが近づいてきて、、、、、、
このオタク青年、はじめ40過ぎかと思ってみてて、ずいぶん両親が子供扱いしてる感じだなーと思ったら
25という設定。ま、そこは置いといて(カイル・ムーニーの実年齢は33歳)
「ナポレオン・ダイナマイト」をどこか彷彿とさせる、ナードな主人公が繰り広げる、
優しく新しく、純粋な世界
出てくる人たちも、どこまでも優しくて。
お父さんに、SWのマーク・ハミル。
ヴォーゲル刑事に、グレッグ・キニア。 老けたからかマーク・ハミルとかぶる 笑
最初出てきたときマーク・ハミルの二役かと思ったのわたしだけ? キャラ被りやん。
久しぶりに見たらかなり老けちゃったクレア・デインズもちょこっと出演。
8/10(84点)
ここから内容に触れます
冒頭から15分くらいでもう話が動き出すのでネタバレとか実は関係ないんだけど。
実はジェームスは赤ん坊の頃にパパとママだと思っている二人に誘拐、監禁されて25年間
外の世界も知らずに、「ブリグズリー・ベア」という子供向け子供番組だけを見て育っていたのだった。
突然、逮捕された両親。ジェームスは本当の両親の元へ戻ることができた。
それまでは友達もいないし、外へも出ていなかったので何もかもが初体験。
本当の両親と劇場で映画を観たり、妹の友人たちと仲良くなったりどんどん世界が広がっていく。
しかし、今まで定期的に送られてきていたブリグズリー・ベアの新作ビデオが届かない。
実は、ブリグズリー・ベアという番組そのもの自体、誘拐したパパがクリエイターで
自分で全部監督して作っていたものだった。
もう観ることができないとわかり、だったら自分で映画を作ってしまえということで、
映画好きな友達とも仲良くなり、妹含めた友人たちと映画作りが始まった!
初めてだらけの人生のやり直し。
こんな風に、愛のある人たちに囲まれて自分の信念のまま暮らしていたら、人を疑うこともできず、
悪いことも知らずに純粋なまま生きていられるんだろうな。
ブリグズリー・ベアの「なんでも諦めない!」という精神が、ジェームスの純粋な心を突き動かすすべての原動力となって
観ている方も応援したくなる。
誘拐した夫婦も、根っからの悪人てわけじゃないところがすごい。
見つかるからって監禁してたのはひどいけど(笑 そうやって、自分たちなりにジェームスを愛していた。
誘拐した両親を恨むどころか、ブリグズリー・ベアを生み出したのが自分のパパ(誘拐犯だけど)だった!
という感動の方が大きいジェームスは人とはちょっと違う感性の持ち主で
見るからにオタクで、一般的には奇異な対象として見られていじめられるようなタイプではあるのに、
はじめは兄に抵抗あった妹も、その友人たちもみんないい人たち。特にドレッドのスペンサー君。
グレッグ・キニア(この事件の担当刑事)も映画作りに協力して、
大事なグッズを盗み出してくれたり、映画に出演してくれたりとかなりいいキャラで笑わせてくれ
サタデーナイトライブ出身のカイル・ムーニーならではの脚本。(主演も本人だし)
ラストではちょこっと泣かせてくれる。
大人になると好きなものを諦めたり、忘れてしまったりする事もある。
どんな時も諦めない。 "好き”を貫く事の大切さ
あんまりだらだら書きたくないからこの辺にしておきましょう。笑
気になる方はもう直ぐ劇場公開終わりになるので是非劇場で
※10/3DVDリリース決定
両親と小さなシェルターの中で平和に暮らしてきた25歳の青年ジェームス。彼の楽しみは、子どもの頃から毎週ポストに届く教育ビデオ「ブリグズビー・ベア」を見ること。ところがある日、警察が来て、両親だと思っていた2人が、赤ちゃんだった彼を誘拐した犯人だと判明する。突然外の世界に連れ出され、本当の両親と高校生の妹と一緒に暮らすことになったジェームス。何もかもが初めてで、戸惑うばかりだったが、何よりもショックだったのは大好きだった「ブリグズビー・ベア」が、偽の両親によってつくられていたため、2人の逮捕によって新作が見られなくなってしまったこと。その事実をどうしても受け入れられず、自ら「ブリグズビー・ベア」の映画版をつくり、シリーズを完結させると決意するジェームスだったが…。
BRIGSBY BEAR 2017年 アメリカ 97min
6月23日より、公開中〜