「机をドンッ!と叩いたら、ウッ!と死にました」
そんなわけないでしょ!!
上の1行は、当時本当に警察が発表した時に出たセリフだという。
これは、「ファイ 悪魔に育てられた少年」のチャン・ジュナン監督が
韓国民主化闘争の実話をベースに脚色した社会派ドラマ。
主演は、キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、キム・テリ、パク・ヒスン、イ・ヒジュン。
カメオでもソル・キョング、オ・ダルス、ユ・スンモク、ジョ・オジン、チュンムロ、ムン・ソリ。
とにかく登場人物が多い。
「チェイサー」の二人の再共演。
「お嬢さん」で共演のハ・ジョンウと、キム・テリも同じシーンはなかったけど再共演となる。
「タクシー運転手」でも印象強かったし、この顔見るともう同情したくなるんだよね。無条件で。
1987年1月、警察の取り調べを受けていた22歳の大学生が死亡した。 証拠隠滅のためにパク処長(キム・ユンソク)の主導のもとに、
警察は遺体を火葬することを要請するが、死亡当日に当直だったチェ検事(ハ・ジョンウ)は、これを拒否して司法解剖を推し進める。
単純なショック死のように嘘の発表を続ける警察。
しかし、現場に残されていた痕跡や解剖の所見は、拷問による死亡を裏付けていた。
事件を取材していたユン記者(イ・ヒジュン)は、「水責めの途中で窒息死」と報道した。
するとパク処長は、チョ班長(パク・ヒスン)ら刑事2人だけを拘束して事件の縮小を図った。
教導所に収監されたチョ班長を通じて事件の真相を知った看守ハン・ピョンヨン(ユ・ヘジン)は、そのことを手配中の在野人事に伝えるため、姪のヨニ(キム・テリ)に危険を承知で頼むが… 人が1人死に、全てが変化し始めた。
8/10
これが割と最近の話で実話ベースということが驚き。
警察が拷問によって人を殺しておいて、遺族に承諾を得ずに勝手に解剖もせずにすぐに火葬してしまえば
死因はバレるはずもないから適当に心臓麻痺と言っとけ。って
おかしいでしょう。
人としておかしい奴らの悪事が明るみになっていく本作。
韓国の軍事政権のことは詳しくはないけど、「タクシー運転手」を先に観ておいてよかった。
いろいろな繋がりが見えてきた。
とにかく観てそれぞれが感じる作品。
報道する側が、若者が、立ち上がった、正義に向かって。
「誰かが演劇で光州事件を扱おうとすると脅迫を受け、政府幹部からも『その話はやめてほしい』と説得を受ける、といった噂がたくさんあった」とチャン監督がインタビューで語っているように
映画化するにあたっては相当な圧力がかかることになるようで、チャン監督らは本作の製作を極秘裏に進めたという。
それほどに、警察の罪、政府がひた隠しにした罪は重いし
知られざる事実としてこの重たい事件は、脚色された映画としてでも必見です。
また、実際の写真がエンドロールに流れたり
これが事実だったとはと本当に信じがたいことを、罪のない人たちに対して。
ぜひ、劇場で確認を。
1987年、韓国では、歴史を劇的に変えた大事件が発生していた。すべての始まりは、一人の青年の”不可解な死”だった。警察に連行されたソウル大学の学生が、取り調べ中に命を落とした。警察は心臓麻痺だと発表するが、裏情報をつかんだ新聞が「拷問中に死亡」とスクープし、大騒動へと発展していく。このころの韓国では、元軍人のチョン・ドゥファン大統領が、軍事政権という名の巨大なハンマーで、国民の真の自由と平和を叩きつぶし続けていた。我慢も限界に達した人々から、民主化を求める声が沸き起こり、正義と希望に燃える学生たちも立ち上がリ始める。なぜ、ごく普通に働く人々や政治に関心のなかった学生までもが、最期まで諦めずに闘うことができたのか。
1987 WHEN THE DAY COMES 2017年 韓国 129min
9月8日より、公開中〜