ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

自閉症児 M君の不思議⑥リズム打ちが好き

2016-06-02 | 自閉症児 M君の不思議

マサ君は、タンタンが好きです。

マサ君は、リズム打ちのことを『タンタン』と言うのです。

マサ君はいつも、ピアノに座るなり、「タンタンしよう!」と言います。

私は、「ピアノを弾いてからね。」と答えます。

私は、しばらくピアノのレッスンをして、マサ君が飽きた頃を見計らってから
「マサ君、タンタンしよう!」と声をかけます。

するとマサ君は、本当に嬉しそうな顔をして、「うん!」と言います。

 

リズム打ちを始めた頃、マサ君は、
1~2小節のリズムを覚えるのも、難しいようでした。

何度お手本を示しても、どうしても覚えられないのです。

「マサ君、難しいですか?」

「はい、難しいです。」

マサ君は、何時も言葉使いが丁寧なのです。

 

そんなレッスンを続けて、3ヶ月くらい経った頃だと思います。

マサ君が、2小節の簡単なリズムを、やっと取れるようになりました。

私はマサ君のことを、うんと褒めました。

すると、マサ君は
「先生、もっと難しいのにしてください。」と言いました。

私は「オッケー!」と言って、試しに4小節のリズムを打ちました。

すると、マサ君は、何の躊躇も無く、完璧にリズムを打ったのです!

4小節ですから、かなり長い暗記になるのですが、
マサ君は、得意そうな顔で、スラスラと私のお手本を再現します。

2小節のリズム打ちは、あんなに難航したのに
その倍もある4小節は、た易く出来るようになるとは!

私は、狐につままれたような気持ちになりました。

「マサ君すごいね!簡単に出来たね!やっぱり天才だね!」

「はい、僕は天才です。」

 

それ以降、マサ君は、4小節のリズム打ちが得意になり、
今ではかなり難しいリズムでも、再現できるようになりました。

マサ君の、この出来事は、今でも本当に不思議です。

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