母方の伯母が、特別養護老人ホームに暮らしています。
伯母は、女学校を主席で卒業した程の才媛でしたが、
夫を亡くしたした後は、スナックを経営して1人息子を育てたました。
そしてその息子を、女手ひとつで大学を卒業させ、イギリスに留学までさせたのですから、
相当な頑張り屋さんと言えるでしょう。
その伯母を訪ねた時のことです。
私のことも、分かっているのか、分かっていないのか。。。
名前を名乗ると、嬉しそうなお顔をするのですが、すぐに夢の中に入ってしまいます。
お喋りするのも気怠そうだったので、もう帰ろうかな~と思った瞬間
歌の本が眼に留まりました。
そこで私は「リンゴの唄」を、小さな声で口ずさんでみました。
すると伯母が、パチッと眼を覚まし、一緒に歌い出しました。
何と!音程も、滑舌もしっかりとしていました。
そしてお顔には赤みが差し、以前の、べっぴんさんの面影が戻りました
これには、ホームのスタッフの方々も、ビックリしていらっしゃいました。
従兄(伯母の長男)に、「もう、あまり分からなくなっちゃったからね~」
と言われて、慌ててホームを訪れた私でしたが、
伯母の確かな歌声に、私はとても感動しました。
やっぱり、音楽のパワーってすごい