昨日は、都内の大学まで、ロバート・キャンベル先生の講演会を聴きに行ってきました。
ニューヨーク出身のロバート・キャンベル先生は、テレビのコメンテーターとしてお馴染みですが、
実は、名高い国文学の先生で、今は、東京大学大学院の教授でいらっしゃいます。
専門は、江戸中期から明治にかけての日本文学で、文化、思想、芸術にも造詣が深く、
私は以前から先生のファンだったのです。
さて、昨日のテーマは“Popcorn on the Ginza”
戦後の銀座を、進駐軍の眼から見た随筆と、日本人が当時の銀座を描いた随筆を読み比べ、
その視線、心情の比較を講義してくださいました。
戦後の銀座を舞台にした小説は色々あるのですが、
アメリカ人から見た、当時の銀座を描いた随筆には、初めて触れました。
また、GHQによる言論統制が行われていて、日本の小説家のほとんどが、
その検閲に悩まされていた事など、興味深いお話を聞く事が出来ました。
その際に先生は、英文を朗読したり、日本語で書かれた文章を朗読してくださったのですが、
両方共、耳に心地良い、素晴らしい朗読でした。
キャンベル先生は、アメリカ人なのに、本当に日本語が流暢でした。
しかも、アメリカ人らしからぬ見事な発音で、鼻濁音まで完璧だったのには驚きました。
元々聡明な方だったのでしょうが、並々ならぬ努力があったのでしょう。
日本文学のみならず、漢詩や古文書にも造詣が深く、
しかも、変体仮名までスラスラとお読みになるので、敬服しながら拝聴しました。
さすが、東京大学で、秀才達に教えていらっしゃる教授だな~と、改めて思ったのでした。
今回のキャンベル先生の講義を踏まえた上で、
私ももう一度、戦後すぐにに書かれた文学を読んでみよう、と思いました。
なかなか興味深い講義を聴くことが出来、実りある1日になりました。