ヨウ君は、5年生の男の子です。
非常に感受性が強く、繊細な男の子なので(9月15日、11月11日の記事等)
私も言葉を選んでレッスンをするようにしています。
ところが先日のレッスンの時、
突然、ヨウ君の眼から涙が溢れそうになりました。
涙が流れそうになっている時に声をかけると、
余計に辛いだろうな~と思い、
私は、見て見ぬふりをしながらレッスンを続けていました。
でも、ヨウ君は涙を我慢が出来なくなったのか
「先生、トイレに行って来ます。」と言って、席を外しました。
ヨウ君は泣きたくなると、
いつもトイレで気持ちを落ち着かせてからレッスン室に戻るのです。
そのあたりが、5年生男子のプライドなのだと思います。
とてもいじらしいな~と思います。
ヨウ君がトイレで気持ちを落ち着かせている間、
私はレッスン中にかけた言葉を思い出し、
何がヨウ君を悲しくさせたのだろう?と考えました。
でも、思い出しても、考えても、私には思い当たることが無く、
途方にくれました。
すると、気持ちを落ち着かせた後、
トイレから戻ったヨウ君は、思いきったようなお顔で
「ららみ先生はいつも、優しい音を出そうね、と言っていますよね。」
と言うのです。
あ~そうか~
確かに私は、初心者の生徒さんにはいつも
「優しい音でピアノを弾いてね。 強い音は出さないでね。」
と指導しています。
初期の段階から、脱力を習得させる為です。
それが、先日のレッスンの時には
「ヨウ君、もう少し元気のよい音を出そうね。
鍵盤の下まで、しっかり押してね。」
と指導したのです。
ヨウ君にとっては、それが青天の霹靂程にビックリしたのでしょう。
ようやく涙の意味がわかり、私はヨウ君に謝りました。 (続く)