私は、ピアノでフォルテを弾く時に、色々な音色を考えます。
情熱的なフォルテ、ちょっと蔭ったフォルテ、鋭角なフォルテ、
そして、暖かい包みこむようなフォルテ。
その曲に合わせたフォルテを弾く為に、重心のかけ方や、腕や手首の微妙な角度で、
それを弾き分けてきたのです。
ところが、スタインウェイ社のフルコンサートピアノには、
そんな私の、ささやかなテクニックは通用しないのです。
まるで、横綱に試合を臨んでいる、小学生力士みたいな感じ~と表現したら
分かり易いかもしれません。
私の実力が、スタインウェイのフルコンサートピアノを弾きこなす程の実力に
達しっていなかったのだと思います。
それでも、音楽ホールに通い、フルコンサートピアノに慣れていくうちに、
なんとなく手応えを感じるようになりました。
それは、自己満足のレベルだったのかもしれませんが、
少しだけ、実力が付いたような気がしました。
ところで、昨日は、大人のレッスン生、Sさんのレッスンでした。
Sさんは、今月に入ってから、音色に変化が現れました。
「Sさん、音色が美しくなりましたね。 とても上達したと思います。」
「ありがとうございます。嬉しいです。
今までは、ピアノを弾く事が難しかったのですが、
最近、ちょっと弾きやすくなってきました。」
実は最近、Sさんは、ご自宅の電子ピアノを、アップライトピアノに
買い換えられたのです。
傍から聴いて、明らかに音色がグレードアップしたのですから、
やはり、練習するピアノによって、実力が上がったのだと思います。
ピアノが、ピアノの上達を助けるのだな~と、改めて思ったのでした。