私はレッスンの時、どの子にも、教育芸術社のこどものバイエルを使います。
レッスンにバイエルを使用することは、賛否両論があり、
賛成を称える先生と、反対!と言う先生は、半分半分くらいでしょうか?
私も、普通のバイエルを使用するのは反対!に1票派なのですが、
教育芸術社の、こどものバイエルは大賛成です。
何故、大賛成なのか?
少し、このバイエルの特徴を記したいと思います。
【その1】
右手が、真ん中の【ド】から始まるところです。
従来のバイエルは、真ん中の【ド】から1オクターブ上にある【ド】から始まり、
譜読みが非常に難しいのです。
しかし、このバイエルでは、真ん中の【ド】からはじまります。
真ん中の【ド】は、小学校の音楽の教科書の表示と同じですし、
小さな子にとっては、親しみ易い楽譜になっています。
【その2】
このバイエルでは、ハ長調で練習した曲が、しばらくすると、
ト長調や、ハ長調に移調して出てきます。
そこで、子供達は自然に、移調の意味を知り
「あっ!ピアノって、黒い鍵盤を使うと、どの場所からでも、同じに弾けるんだ!」
と云う事を、身をもって体験出来るという訳です。
【その3】
このバイエルは、自然と主要3和音(ドミソ、ドファラ、シレソ)の
分散和音が弾けるようになります。
分散和音は、ピアノの基礎になりますので、後々、非常に役に立ちます。
この3つの和音を、的確な箇所で正確に弾けるようになると、
大抵の曲ならば、簡単な伴奏を付けて弾けるようになるのです。
以上のような特徴が、初心者の基礎力を養う為には、非常に有効だと思います。
ですので私は、大人の初心者にも、このバイエルを使用します。
1年位、こどものバイエルで、みっちり基礎力を付けると、
大人でも順調に上手になると思います。