今回の女子フィギュアスケートを見ていて、気が付いた方も多かったと思いますが、
今年は【ショパンのノクターン20番・遺作】が、3人の選手に使われていました。
銀に輝いたメドべージェワ選手、
アメリカ代表の長洲未来選手、
そして、フランス代表のマエ=ベレニス・メイテ選手が、
この曲の調べに乗って滑ったのです。
では、ショパンのノクターン20番・遺作とは、どんな曲なのでしょうか。
この曲は、1830年、ショパンが20歳の時の作品です。
遺作とは、亡くなる前の作曲~と云う意味ではなく、
亡くなった後に出版された~と云う意味なのです。
甘く切ない旋律が、如何にも夜想曲(ノクターン)らしい曲ですが、
当初は、姉のルドヴィカの練習の為に書かれた曲で、
初版は【アダージョ】(ゆっくりの意味)と云う標題だけが書いてあったのだそうです。
技術的にはさほど難しくなく、ソナチネアルバムを数曲弾いた程度の技術で弾けると思います。
ただ、両手のバランス、フレーズの取り方、ペダルの踏み方は注意を要するので、
独学で弾くのは難しいと思います。
「ゆっくりな曲程、知性が要る」と云うのは私の持論ですが、
決して情に流されることなく、美しく弾く事が、大切なポイントになります。