ららみ先生のピアノのおけいこ

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自分の思いが相手に伝わらないと悩む人は多いけど

2018-06-02 | 自閉症の作家・東田直樹さん

KADOKAWA発の文芸情報サイト「カドブン」で、
東田直樹さんのエッセイ(毎週水曜更新)

第28回「東田直樹の絆創膏日記」が掲載されました。

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2018年5月17日

   自分の思いが相手に伝わらないと悩む人は多い。
 わかってもらえないという心理の裏には、わかってもらえて当然だという考えがあるような気がする。僕自身は、気持ちは伝わらないのが普通だと思っている。
 期待するから失望する。
 人に期待してはいけないと言いたいわけではない。期待してもいいが、自分の予想していた通りにならないからといって、恨んだり、悲しんだりしてはいけないのだと思う。
 期待とは、自分勝手な想像だ。その人の頭の中で描いたストーリーであって、現実とは別の世界の話なのである。
「望みつつ待つ」という状態は、希望につながる。だから、期待通りにならないとがっかりする。
 人の心は、自分の心以上に理解不能なものである。心というものは、些細なきっかけでぐらつく。ぐらつくだけではなく、全く別の方向を向くことさえある。
 自分の言動が人の気持ちを左右することもあるかもしれないが、実際のところ、どのように影響を与えたのかは、誰にもわからないのだ。
 心は壊れやすいガラスに似ている。
 存在するのに誰にも見えない。けれど、傷だけはついていく。そして、その傷は、一度ついたら取れることはない。
 だからといって、思いが相手に伝わらないから、おしまいだとは限らないのだ。伝わらなくても、よい結果に結び付くことだってある。
 人の心は思い通りにならないことがわかれば、必要以上に自分の心が傷つくこともないだろう。

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確かに私の心の中には、
「相手にわかってもらえて当然だ」と云う気持ちがあります。

そんな気持ちがあるからこその失敗は、沢山あります。

相手を傷つけたり、反対に傷ついたり。。。

そんな若い頃の失敗は、ほとんど
「相手にわかってもらえて当然だ」の気持ちに由来していたのだな~と
今にして思います。

しかし、東田さんが述べていらっしゃる様に、
「人の心は思い通りにならない」と云うことを、もっと強く自覚していれば。。。
と今になって思うのです。

せめて、今からでも、そう自覚しようと思います。

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