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東田直樹さんのエッセイ(毎週水曜更新)
第29回「東田直樹の絆創膏日記」が掲載されました。
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2018年5月24日(木)
自分では正論だと思っていることも、状況によっては、想像以上の批判を受けることがある。それでも、プライドを守ることが何より大事だという人がいるが、全てを失ってまで守らなければいけないプライドとは何だろう。
そこまでして、自分の意思を貫く姿勢は果たして正しいと言えるのかどうか、疑問を抱かざるを得ない。
プライドとは、言い換えれば自尊心のことである。自分の人格を大切にするという意味だが、それが過ぎると、思い上がりやうぬぼれだと捉えられてしまうこともある。
非難を受け、初めて自分の判断は間違っていたかもしれないと後悔する。後悔するが後戻りが出来ない。後戻りするためには、間違いを認めるだけでなく、プライドを捨てなければならないからであろう。
でも、プライドだけは捨てられない。プライドは、人が死ぬ間際まで手放せない最も重要な思いだからだ。
自分を大事にし過ぎて窮地に陥る。他人のプライドの高さには敏感だが、自分のプライドがどの程度のものなのか確かめる機会は少ない。
自分のプライドが高いのか低いのか自覚している人は、あまりいないような気がする。
プライドが低い方が生きやすいのは確かだろう。
自尊心がなければ人は生きられないのに、皮肉なものである。
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“他人のプライドの高さには敏感だが、自分のプライドがどの程度のものなのか確かめる機会は少ない。”
この箇所を読んで、ドキッとしました。
自分自身に当てはめて、色々と考えさせられたのでした。