KADOKAWA発の文芸情報サイト「カドブン」で、
自閉症の作家・東田直樹さんのエッセイ(毎週水曜更新)
「東田直樹の絆創膏日記」が掲載されました。
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2018年7月19日(木)
夢をあきらめることと、あきらめないことは同じ心境なのではないだろうか。
両方とも、開き直らなければ出来ないからだ。
開き直るということは、自分の欲を捨てることなのだろう。だから、開き直った人は強いのだと思う。
あきらめることが悪いこととは言い切れない。
誰でも、自分の望みの全てを叶えられるわけではない。みんなどこかで挫折したり、妥協したりしているはずである。
夢をあきらめることで、何かが変わる。別の目標を持ったり、自分についての新たな一面を発見したりする。
あきらめない人も目標を達成するために、犠牲にせざるを得ないことがあるだろう。
開き直るという心境は、正面から風を受けながら空を見上げ、雲ひとつない青空に向かい、好き勝手に叫ぶ、誰もいない草原の真ん中にひとりたたずみ胸を張る、まさに、そういった気持ちではないのか。
もう、怖いものはない、このまま自分らしく生きて行こう。こんな風に思えることが大事なのかもしれない。
あきらめない人だけが勝者ではないと思う。
何かをあきらめても、あきらめなくても、歩むべき道は続いていく。
今いる自分の場所が、狭い道の上ではなく、広い大地の真ん中だとわかれば、どこに進むかの選択肢は無限にあるのだ。
これからの自分の可能性を信じられる人こそが、真の勝者なのだと思う。
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“今いる自分の場所が、狭い道の上ではなく、広い大地の真ん中だとわかれば、
どこに進むかの選択肢は無限にあるのだ。”
どんな人でも、これからの可能性は、二者択一ではないのでしょう。
そのことに気が付くと、気が楽になると同時に、大きな希望が湧いてきます。
人生の折り返しを過ぎている私にも、
まだまだ素晴らしい可能性が広がっているに違いない~と思えてくるのです。