今年の「全日本フィギュアスケート選手権」が終わりました。
今回は、高橋大輔さんが、5年振りに選手として復帰されたので、
日本中が注目していたと思います。
私も、高橋選手のスケートを、とても楽しみにしていました。
もともと、芸術性の高い演技をする選手でしたので、
久しぶりの演技が楽しみだったのです。
そして、32歳になった高橋選手が、果たしてどのような演技をされるのか、
5年間のブランクを、どのように克服されたのか、非常に興味がありました。
何しろ32歳での選手復帰というのは、ピアニストで例えるならば、
80歳でリサイタルを行うような、それ程の偉業だと思うからです
実際の演技はどうだったかと言いますと、
ショートプログラムも、フリーも、どちらも本当に素晴らしいものでした。
ショートプログラムでは坂元龍一の「シェルタリングスカイ」
最初のイントロから、スーッと高橋選手が醸し出す世界へと魅せられ、
目と耳が釘付けになりました。
まるで、私自身が音楽に入り込み、演奏しているかの様な~
そんな錯覚を覚える程に引き込まれたのです。
フリーは、ラフマニノフの「鐘」をアレンジした曲でした。
高橋選手の演技は情熱的で、それでいて切なくて、私は涙が出そうになりました。
全身全霊で奏でている、そう、まさに奏でている高橋選手に、感動したのです。
ショート、フリー共に、表現力が素晴らしく、映画を観た後の様な深い余韻が残りました。
高橋選手は、この5年間を、どのように過ごされたのでしょう。
何を考え、何を成してきたのか、そして、何をきっかけに復帰を決めたのか。。。
そんな事を考えることが無粋と思わせるような、ただただ素晴らしい演技だったと思います。
今季の世界選手権は辞退されたようですが、これからも研鑽を積んで頂き、
私達に感動を与えて頂きたいと、願うばかりです。