マサ君(特別支援中1・自閉症)は、何時も同じ話をしたがります。
多分、同じ話をすると心が落ち着くからだと思います。
マサ君は、大きくなったら救急隊員になりたいらしく、
「救急隊員になったら、(夜中に)寝てはいけません。」とか、
「ピアノの後は、救急隊員に戻ります。」とか、
毎週、自分が救急隊員になった時の事を想像して、
嬉しそうなお顔で語ってくれます。
その他には
「こう君(仮名)は何時に帰りますか?」も、必ず聞きます。
こう君と云うのは私の次男です。
次男は、マサ君のレッスンの時間帯に、
夕方からの部活の為に家を出ることが多く、
マサ君は、玄関で用意をする次男の気配が気になってしょうが無いのです。
以前、マサ君が
「こう君は何時に帰りますか?」と聞いてきた時に
「こう君は、昨日の夜、12時半に帰ってきました。」
と答えた事がありました。
マサ君はビックリした顔をして
「そんな時間に帰ってはいけません」と言いました。
それ以来、かれこれ1年以上、毎週同じ質問をしています。
しかも、毎週、と~っても嬉しそうに聞くので、
私も「はい、こう君は、夜中の12時半に帰って来ました。」と答えます。
マサ君は、満足そうに笑います。
何時だったか
「昨日は9時に帰って来たよ。」と答えたら、
ガッカリした顔をして、
「何で早く帰ったの? 12時半じゃないのですか?」
と、質問されました。
なので私は、マサ君の期待を裏切らないように?
毎週、「12時半に帰りました。」と答えるのです
そんなマサ君ですが、すっかり8分の6拍子をマスターして、
今は付点4分音符の練習をしています。
付点4分音符の曲は、
左手の伴奏を付けるとタイミングが難しいのですが、
それでも難なく弾けるようになってきたので大したものです。
「マサ君、難しいのに立派に弾けますね。
さすが天才ですね。」
「はい、僕は天才です。」
とニッコリ笑うマサ君
そんなマサ君が、可愛くてたまりません。