最近の子は、練習しないでレッスンに来る子が多いように思います。
何故だろう、何故だろう?と、ずっと考えてきました。
20年前の生徒さん達は、もっと真面目に練習していたような気がするからです。
ところが、最近の生徒さんはどうでしょうか。
多くの生徒さん達、特に中学生以上の生徒さんは、ほぼ、練習せずにレッスンに来ます。
譜読みも、曲想も、すべて教師に頼っているようです。
私のレッスン方法が悪いのだろうか?とか、私が甘過ぎるからだろうか?など
随分と悩んだものですが、ひとつの仮説に行き着きました。
それは、電子ピアノの普及と、関係があるのでは?と云うことです。
20年程前までは、ピアノを習う~と云うことは、
ピアノを購入する~と云うことだったのです。
しかし、今はどうでしょうか。
ほとんどの生徒さんのお宅には、いわゆるピアノは有りません。
あるのは電子ピアノです。
最近の電子ピアノは優秀で、タッチも音色も、ピアノに近づいているとは思います。
しかし、やはり本物のピアノに勝るものではなく。。。
私が子供の頃、アップライトのピアノは、とても存在感がありました。
練習をサボっていると、ピアノの存在そのものが、私に罪悪感を募らせたのです。
練習しなきゃ~そんな気持ちを、ピアノが促していたように思うのです。
黒くて大きなピアノは、それ程の存在感があったように思います。
ところが、気楽に購入できる電子ピアノは、非常にコンパクトで、
リビングの片隅に、控えめに収まります。
黒くて大きなアップライトのような威圧感は無く、
「練習、したかったらしてね~ あ! でも、無理しなくてもいいんだよ~」と、
優しくささやいているかのようです。
それに加え、習い事の多さや、塾のスケジュールも忙しく、
ピアノの練習は、1番最後になってしまうのでしょう。
なので、電子ピアノの普及と、練習時間との相関関係は、
決定的なものではないかもしれません。
ですが、少しは関係あるんじゃないかなぁ~と思います。
だからこそ、より良いレッスンを心掛けなければと思っています。