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裏山からヒマラヤへ

2014-05-09 21:44:38 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 麦畑に青々とした緑が広がっていました。

 

 良く見ればマメ科植物が混植されています。

 

 根瘤菌の窒素固定を利用する知恵です。

 農業技術を指導する人がいるのかもしれません。

 

 

 

 
 ここの麦畑の脇にホトケノザを見ました。

 

 自信がなかったので、帰国して図鑑をめくると、「ホトケノザは東アジア、ヨーロッパ、北アフリカに広く分布する越年草」と記されています。

 

 間違いなさそうです。

 

 

 更にもう一つ、ナズナを発見しました。

 

 これも帰国後に調べると、ウィキペディアに「アブラナ科ナズナ属の越年草で、ムギ栽培の伝来と共に日本に渡来した史前帰化植物と考えられる」そうです。

 

 へ~! そうだったんだ。知らなかった!

 

 

 そしてハコベが現れます。

 

 これも、日本の野草(山と渓谷社)に「世界中どこにでも見られる越年草」と記されていました。

 

 そうだったんですね!

 

 

 そして最後はハハコグサです。

 

 これもウィキペディアに「中国、朝鮮、日本、台湾などに広く分布し、インド、ネパール、タイ等の熱帯地方でも、標高の高い地域で見られる」そうです。

 

 

 私はネパールに来て初めて、日本の身近な植物を、今まで、どれ程いい加減に見てたかに気付かされました。

 

 そういえば昔、文化人類学者の今西錦司さんが「裏山にきちんと登れたら、ヒマラヤも登れるようになる」みたいなことを言っていた気がしますが、私は植物学の裏山をきちんと登る前に、ヒマラヤに来てしまったようです。

 

 ヒマラヤの麦畑で、いいお勉強をさせてもらいました。

 これから何をすべきか、今頃気付かされた気がします。

 

 そして、「気付かないよりはまし」だろうと、自分で自分を慰めます。

 

 

 周囲を見渡すと、キュムヌ・コーラの対岸にチョムロンへと続く道が見えていました。

 

 

 更に、段々畑の中を下って、

 

 

 更に、サクラソウの咲き乱れる道を下って行くと、

 

 

 キュムヌ・コーラを跨ぐ吊り橋が見えてきました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

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ネパールの山村を歩く

2014-05-09 16:24:23 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 森を抜けた場所にあった農家は、ブロックを積んだ壁にトタン屋根を載せただけの質素な造りでした。

 

 今まで見てきた民家と比べ、粗末な印象は隠せません。

 

 

 農家として一番高い場所に位置するようです、畑の上から尾根へと森が広がっていました。

 

 

 庭で鶏が遊んでいました。

 

 

 納屋は懐かしい雰囲気の茅葺屋根です。

 

 

 畑の横にコブシに似た白い花が咲いていました。

 

 一昔前の、日本の長閑な山村に似た雰囲気を感じます。

 

 

 農家の前を暫く下ると、GH(ゲストハウス)があって、広々した庭で青い目のトレッカー達が寛いでいました。

 

 

 GHの庭から谷を見下ろすと、緑の谷にキュムヌ・コーラが一筋の光を見せていました。

 

 

 対岸に目を向けると、切り立った崖の中腹に民家が見えています。

 

 こんな急斜面に家を建てて大丈夫なのでしょうか。

 

 すぐ近くには、崩落した斜面が見えていました。

 

 

 

 心配と同時に、この地に生きる人々の逞しさに驚かされます。

 

 もしかすると、対岸から見れば、こちら側の斜面も似たような光景なのかもしれません。

 

 

 視線を横に移すと、帯のように細い段々畑の先に、斜面にへばり付くように建つ農家が見えています。

 

 

 

 コブシかと思う、白い花を咲かせた木の脇を廻って、道が下って行きます。

 

 

 道が交差する場所に、トレッキングルートを示す青いマークを見かけます。

 

 生活道路が民家や畑へ伸びて、その一部をトレッカーが使わせてもらっているのです。

 

 

 農家の庭で牛が寛いでいました。

 

 

 この農家は食事や宿を提供してくれるようです。

 

 農家の壁にヒルサイドロッジの看板と、「現在地 チュイル 2245m」と記されたルート図が掲げられていました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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さようならアンナプルナ・サウス

2014-05-09 13:32:25 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 タダパニを出発して、森の斜面を東へと下ります。

 

 シャクナゲを優占種とする森が続きました。

 

 枝と一緒に落ちた、シャクナゲの赤い花に心が癒されます。

 

 一週間も経てば、森は朱に染まるかもしれません。

 

 

 

  白いアンナプルナ・サウスがシャクナゲの森の空に顔を覗かせました。

 

 

 靄に霞むマチャプチャレが徐々に大きくなってきます。

 

 

 足元にサクラソウ(Primula denticulata)が咲いて、

 

 

 眼の前に雪山が輝きます。

 

 

 ん~ん、何も言うことはありません。

 

 ぽかぽかと暖かい森の道に、ゆったりとした時間が流れます。

  

 
 道畔にサクラソウの花群れが絶えることはありません。

 

 もしかすると、一週間後には、サクラソウは花を終えているかもしれません。

 

 私は、ありえないタイミングで、此処に巡り来たのかもしれません。

 

 そうか、そういうことなのですね。

 

 今会えないシャクナゲを嘆くより、今咲き揃うサクラソウを楽しむべきなのです

 

 

 あれほど大きかったアンナプルナ・サウスも、今は頂きの一部を周囲の尾根の上に覗かせるだけです。

 

 

 更に森を下ると、見晴らしの良い尾根の上で、一件の農家が谷を見下ろしていました。

 

 

 マチャプチャレが、新しい表情で出迎えてくれました。

 

 

 そして、アンナプルナ・サウスはここから暫しのお別れです。

 

 

 

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