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バンブーを通過

2014-05-28 20:46:01 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ドバンを12時20分に出発しました。

 

 

 今朝ABC(アンナプルナ・ベースキャンプ)を出るとき、今日の宿はバンブーと考えたのですが、予想以上に速いペースなので、もしかすると今日中にチョムロンまで行けるかもしれないと考え始めていました。

 

 しかし、まだ相当な距離が残っています。

 

 取りあえずシヌワまで行って、その時点で判断することにしました。

 

 森の中の、急斜面を下り続けます。

 

 

 少しずつ温度と湿度が上がってきました。

 

 苔を付けた岩を見かけます。

 

 

 竹も日本と異なり、幹が一か所に集まって、株立ち状となっています。

 

 タイミンチクのような南方系の種類なのでしょうか。

 

 半日も経ずに、北の北海道から南の沖縄へやって来たような生態系の変化を目の当たりにしました。

 

 

 深い谷の壁に階段状の登山路が続いていました。

 

 こんな急な所を登った記憶はないのですが、道の脇に咲くスミレにばかり気を取られながら歩いていたのでしょうか。

 

 

 

 ドバンを出て40分程でバンブーに到着しました。

 

 

 GHの壁にホットシャワーの文字が見えます。

 

 そうでした、数日シャワーを浴びていません。

 

 これが山歩きの最大の欠点です。

 

 山歩きは、毎朝シャンプーをしなければ生きてはゆけないお嬢様にはお勧めできない遊びのようです。

 

 それにしても、今夜こそシャワーを浴びたい。

 

 

 当初、宿泊地と想定していたバンブーは、立ち止まることもなく通り過ぎました。

 

 

 バンブーを過ぎた辺りから、谷は更に深さを増してゆきます。

 

 

 山道を下りながら振り返ると、谷の上部を雲が覆っていました。

 

 この季節、午後になれば、山は雲に包まれると考えたほうが良さそうです。

 

 ABC辺りは雪が降っているかもしれません。

 

 

 谷の斜面を下るにつれて、道巾が少しずつ広くなってきました。

 

 

 何時の間にか周囲の森が、常緑樹に代わっていました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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早春の森を抜け

2014-05-28 16:57:32 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 二日前に見た、名も知らぬ黄色い花が背丈を伸ばしていました。

 

 その横のサクラソウも、ひと回り大きくなったような気がします。

 

 

 

 右岸の尾根の上に、微かに雪を被ったピークが覗きました。

 

 左岸の崖の後に、仄かに雪を乗せた峰を見つけました。

 

 

 

 竹林の手前で、誰かが籠を編みかけているようです。

 

 

 本流へ流れ込む沢に、丸太を重ねた橋が架けられていました。

 

 人の手の温もりが、風景のあちこちに紛れ込んできます。

 

 

 そんな沢の一枚岩の上で、白髪のトレッカーが、若葉萌え始める木々を眺め、寛ぎの時を過ごしていました。

 

 沢水は程好く冷ややかで、軟らかい陽射しが谷を温めています。

 

 

 しかし、ここはまだ神様がお住まいになられる場所。

 

 ロバや馬が足を踏み込むことは許されません。

 

 屈強な腰付きのポーター達が大きな荷を背に、黙々と坂を登り、森の中へ消えて行きます。

 

 

 随所に咲く赤いシャクナゲが、早春の森を抜けたことを告げていました。

 

 

 

 そして、真冬のABCを出発してから4時間半、正午になる少し前、優しい陽射しに包まれたドバンのGH(ゲストハウス)に到着しました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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野の花に見送られて

2014-05-28 15:30:53 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 

 

 

 ヒマラヤホテルを10時半に通過しました。

 

 

 モディ・コーラの谷を下り続け、周囲に緑が増えてきました。

 

 谷は下流の景色が見通せない程、視界の先が落ち込んでいます。

 

 

 

 花に溢れる道が続いていました。

 

 

 もはや、急ぐ理由はありません。

 雪は既に、手の届かない峰の高みに痕跡を留めるばかりでした。

 

 歩みを止めて振り返る度に、通り過ぎてきた場所が、記憶のアルバムに綴られてゆきます。

   

 あまりにも行程の変化が大きく、夢でも見ているかのような、不思議な感覚に包まれていました。 

 

 

 

 早春を飾る野の花が周囲に溢れます。

 

 

 

 笹が茂り、シャクナゲが森なす道に、荷を運ぶ人の姿を見かけました。

 

 

 針葉樹が対岸の斜面に姿を現し、シャクナゲの赤い花がチラホラと姿を見せ始め、

 

 

 

 他の場所では目にしない竹林が、ドバンが近いことを告げていました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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ありがとう、さようなら。

2014-05-28 11:38:47 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 デオラリのGH(ゲストハウス)で滑り止めとスパッツを返却しました。

 

 二日間のレンタル料は1400Rsでしたが、日本から背負ってくることを考えれば安いものです。

 

 

 デオラリを出発すると、目の前に雪の帯が見えてきました。

 

 一昨日見た雪崩の痕です。最下部にデブリの塊を認めました。

 

 後から知ったのですが、20数年前にこの場所で、日本人パーティーが雪崩に巻き込まれ亡くなっているそうです。

 

 

 左手の斜面に雪解け水が流れ、サクラソウが枯草の中に花を咲かせていました。

 

 2時間も経ずに、4000メートルの冬の谷から、花咲く早春の谷に下ってきたことになります。

 

 

 

 岩と雪の水墨画の世界を振り返りながら、花咲く谷を下って行きます。

 

 新しい命が萌える芳しい早春の季節は勿論、私は水墨画のような冬の季節も嫌いではありません。

 

 そう、嫌いでないと言うよりはむしろ・・・

 

 

 固まった雪が崩れ落ちた、ごろごろした雪崩の痕を横切りました。

 

 

 背後の谷の中に、デオラリGHの青い屋根が見えていました。

 

 そのときふいに、 「雪よ岩よ我らがやどり、おれたちゃ街には住めないからに ♪ 」のメロディーが左右の耳の間に聞こえました。

 

 本当にありがとう、美しいものを見せてもらいました。

 

 そして、さようなら。

 

 

 目の前に巨大岩(Huge Rock)が近づいてきました。

 

 

 そこを過ぎると、サクラソウのブーケに飾られた道が始まりました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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