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花咲くデオラリ

2014-05-23 16:19:10 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 谷の空が広がりました。

 

 空の色に軟らかさが感じられます。

 

 

 昨日渡る時、川に流れる水が凍てつきそうだったのに、今日は温そうに見えるから不思議です。

 

 この橋を渡れば、冬山のリスクから逃れられるエリアに入ると思いました。

 

 

 周囲を見回すと、左岸の岩峰やマチャプチャレBCの辺りは雲の中に霞んでいますが、

 

 

 

 すぐ下にデオラリの青い屋根が見えていました。

 

 

 右岸の岩壁の滝は凍らず、水が流れ落ちていました。

 

 雪を纏った岩峰とも、この辺りで見納めになりそうです。

 

 

 

 もう一度鉄製の小橋を渡ると、

 

 

 サクラソウの花が、道の脇で笑顔を見せていました。

 

 

 デオラリに9時10分頃に到着しました。

  

 昨日の朝は、雪景色に埋もれていたデオラリも、GHの周囲から雪が消えて、長閑な佇まいを見せていました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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水墨画の世界

2014-05-23 14:28:27 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 谷の中に入ると道も細く、傾斜もきつくなります。

 

 雪道を歩いた経験のないトレッカーは、緊張を強いられる様子が見えます。

 

 もし、一晩で30センチ以上の雪が積もれば、ここは更に困難を伴う場所となるはずです。

 

 

 私は先を急ぎました。

 

 出発してから50分程で、昨日、抽象画のようだと感じた岩壁の下に出ました。

 

 

 灰色の雲が空に広がっていますが、大気は安定しているように見えます。

 

 周囲に潅木が現れ始めましたから、標高が下がり、気温も上昇しているはずです。

 

 

 しかし、こんな場所でもスリップすれば滑落事故につながりますので、油断は禁物です。

 

 

 

 周囲の谷は安らぎに満ちた不思議な静寂に包まれていました。

 

 モノトーンの水墨画のような景色の中を下り続けました。

 

 ピカピカの晴天だと見ることができないはずの景観を、存分に楽しませてもらいました。

 

 日本であれば、このような岩と雪の織りなす光景は、熟練した登山者のみが見ることができる類のものです。

 

 

 

 贅沢な景色が続く谷が広がっていました。

 

 

 しかし、山の贅沢は危険とも隣り合わせです。

 

 雪崩れの痕を随所に見かけました。

 

 

 そして、河原に摩耗して角の取れた石が現れるころ、

 

 

 谷に水が流れ始め、空に青が見えるようになってきました。
 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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雲の中のアンナプルナ・ベースキャンプ

2014-05-23 13:07:39 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 

 3月12日

 

 ABC(アンナプルナ・ベースキャンプ)のGH(ゲストハウス)で目を覚ますと、窓の外は薄暗く、朝の光が見えないまま時が過ぎてゆきます。

 

 身支度を整えて外に出ると、周囲は雲で覆われていました。

 

 

 もう一日滞在し、山の景色を楽しむプランも考えられますが、帰国する飛行機が18日午前なので、余裕あるスケジュールを考えて下山することにしました。

 

 雪でも降り出すと面倒ですから、下山を決めたらなるべく早く出発する方が安全です。

 

 朝食を摂り、チェックアウトを済ませ、7時半に下山を開始しました。

 

 

 多くのトレッカーに踏み固められた雪道を、ハイペースで下り始めました。

 

 振り返ると、雪に埋もれそうなABCが見えていました。

 

 

 緩やかな斜面を順調に下って行きます。

 

 靴に付けた滑り止めが利き、無駄な筋力を使わずに済みました。

 

 

 傾斜が大きくなり始めた場所でもう一度振り返ると、ABCが谷の底で、周囲の岩と見分けが付かなくなっていました。

 

 小走りに下る途中で、先に出発したウズベキスタンの子供を背負った男性を追い抜きました。

 

 男性が後から「グッドラック」と声を掛けてくれました。

 

 私も足を止めずに「グッドラック」と答えます。

 

 グッドラック皆さん、グッドラックABC。

 

 

 出発してから20分ほどでマチャプチャレBCが見えて来ました。

 

 

 マチャプチャレBCを迂回し、更に先を急ぎます。

 

 

 V字に切れ込んだモディ・コーラの谷に下って行きます。

 

 どの岩壁も昨日より白さを増していました。

 

 岩壁の中に凍った滝を目にすることは、これから先の人生で、そうはないかもしれません。

 

 

  

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

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