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ヒマラヤの沙羅双樹の木

2014-05-14 20:44:00 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 

 

 ヒルトップという名の茶屋を過ぎると、道は下り始めました。

 

 

 午後も、快適なトレッキングを続けました。

 

 そうそう、木曽に通じていた、昔の中仙道はこんな感じかもしれないな、と思いました。

  

 道端にヤブヘビイチゴ「Potentilla indica」やサギゴケの仲間「Mazus surculosus」が咲いていました。

 

 

 

 そんな道を歩いていると、木の高い場所から物音が聞こえてきました。

 

 猿でも居るかと思い見上げると、地上10m程の幹の間に人の姿が見えました。

 

 木に巻き付いた、ツタの葉のようなものを鉈で切り落としています。

 

 多分、家畜の餌を集めているのでしょう。

 

 

 急斜面の山肌を横切りながら道が続いていました。

 

 尾根の端に見えるのがタウルンの集落です。

 

 

 谷の反対側の斜面にも村が見えてきました。

 

 その後ろに、モデイ・コーラ本谷がナヤプル方面へと向かって下っています。

 

 

 今日の目的地のチョムロンまでもう少しです。

 

 そんな時、渓谷の上に大きな鷹が姿を現しました。

 

 

 
 谷の中へ一羽が姿を消すと、別の一羽が目の前に現れました。

 

 

 初めは気付かなかったのですが、眼下の畑の中に動物の死骸らしきものが横たわっていました。

 

 そしてその場所に、20羽以上の鷹が群れていました。

 

 

 もう、4~50年前のことですが、テレビの「秘境ヒマラヤ」というドキュメンタリー番組で初めて、鳥葬を知りましたが、そんなことを想い出した光景でした。

 

 

 あちらこちらの畑に麦が穂を付けていました。

 

 イネは毎年同じ田で栽培できますが、ムギだと連作障害が出ますから、全ての畑が緑という訳にはいかないようです。

 

 

 畑で、牛を使っての農作業が行われていました。

 

 

 畑の横ではサラノキ(沙羅の木)が緑の葉を付け、他の木はすっかり丸裸となっていました。

 

 裸の木は全ての葉が家畜の餌にされてしまったようです。

  

 サラノキは仏教3大聖樹の一つでもあります。

 お釈迦様が入滅された時、その場所の東西南北に2本ずつあったサラノキが、一斉に時ならぬ花を咲かせたそうです。

 

 2本ずつあったことから「沙羅双樹」とも呼ばれますが、ヒマラヤでは、重要な家畜の餌として、命の連鎖を廻しているようです。

 

 

 

 来し方を振り返えれば、歩き続けて来たトレイルが山腹に伸びて、谷の底にキュムヌ・コーラが白い筋となって光りました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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ヒマラヤトレッキング 花の旅 index 2

 

 

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茶屋のお姉さん

2014-05-14 16:02:33 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 この付近に来ると、トレッキングルートが、今までと異なる印象を見せていました。

 

 

 落葉樹が周囲に広がります。

 

 足元には落葉が積み重なっていました。

 ここまでのルート上で、枯葉の上をカサコソ音を立てて歩いた記憶がありません。

 

 植生が変わり、花の種類に変化が見られます。

 

 そんな場所でAinsliaea aptera(エインズリエア・アプテラ)を見かけました。

 

 ネパールで3月から6月に花を咲かせる、キク科モミジハグマ属の多年草です。

 

 

 

 落葉樹の下で、ヒマラヤ白スミレ(Viola canescens)が咲いていました。

 

 カシミールからインド北東部にかけ、標高1500~2400mの場所で、3~6月に花を咲かせるそうです。

 

 

 

 キュムヌ・コーラを挟んで、向かいの尾根にコムロン村が見えていました。

 

 

 振り変えると、遥か西の空に、昨日歩いて来たバンダンティのピークが望めました。

 

 

 道の脇で水牛の親子が静かに草を食んでいました。

 

 乾季の今頃は、牛の餌になる緑が少ないようです。

 

 

 

  ほぼ正午になって、ヒルトップの看板を掲げた、質素な茶店に到着しました。

 

 

 ここから、キュムヌ・コーラへ下って、尾根道を登ればコムロンに通じる道が分岐します。

 

 

 茶店で、お姉さんが一人で店番をしていました。

 

 茶店には飲み物しかないので、ザックのビスケットを昼食代わりにして、スプライトを注文しました。

 

 一本190Rsという、平地の倍以上の値段でしたが、ここまで運んでくる労力を考えれば当然のことに思えます。

 

 お姉さんが、「何処から来たの?歳は幾つ?」と聞くので、「日本から来ました、63歳になります」と答えると

 「オォ、とても若い、とてもアクティブに見えます」と誉めてくれたので、すっかり気分を良くして、お姉さんにレンズを向け、写真を撮らせてもらいました。

 

 

 レンズを向けると、お札を持って嬉しそうなポーズをしましたが、その表情でナンゲタンティのGHの小母さんを想い出しました。


 

 この辺りの人達が写真を撮られる時の定番ポーズなのかもしれません。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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