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理想郷に宿泊

2014-05-17 21:51:21 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 巨大岩(ヒュージ ロック)と呼ばれる場所に着きました。

 

 

 岩の下には4~5人程が雨露を凌げる空間があり、実際に誰かが火を使った跡もあります。

 

 

 ここまでくれば、今日の宿泊地はもう目と鼻の先です。

 

 登山路は崖の斜面を横切り、雲の中に続いていました。

 

 

 そんな登山路に沿って、谷へ突き出た尾根を廻りこむと、目の前に突然大量の雪の塊が現れました。

 

 

 雪は左手の斜面から雪崩れ落ちたようです。

 

 雪の表面がザクザクしていて、デブリ特有の表情を見せていました。

 

 その雪渓の上に、トレッカー達の足跡が伸びています。 

 

 この季節であれば雪崩れの心配はありませんが、この辺りがハイキング気分で来る場所でないのは確かです。 

 

 

 雪渓の上を歩きながら下を覗くと、デブリは累々と谷底へ続いていました。

 

 

 そして、巾100m程の雪崩跡を越え、山肌に続く細い道を進み、

 

 

 デオラリのGH(ゲストハウス)に到着しました。

 

 

 デオラリには4~5軒のGHがありました。

 

 

 デオラリで、ネパール人ガイドのサンデシュさんが予約してくれたのは理想郷を意味する「シャングリラ」と云う名のGHでした。

 

 

 ドアを開けて中へ入ると、陽気な若者達が夕食の下ごしらえを始めていました。

 

 彼らに名を告げて、予約を確認しました。

 

 

 時刻は15時20分頃だったでしょうか。

 

 誰も居ないダイニングルームに腰を据えて、ホットティーをオーダーし、しばし至福のひと時を過ごしました。

 

 

 やや暫くすると、今日は一度も顔を見なかった韓国人の金さんが「シャングリラ」に入ってきました。

 

 しかし、今日は満室だと断られています。

 

 金さんのポーターが、慌てて他のGHへ確認に行きましたが、なかなか色好い返事が得られないようです。

 

 私の横で金さんの表情が、かなり不安な様子に変わってきました。

 

 金さんに、「心配しなくても大丈夫ですよ」と声を掛けました。

 

 部屋なんかなくても、いざとなればダイニングルームに寝ることもできます。

 

 山ではいつもそんなものです。

 

 幸い、一軒のGHが部屋を都合してくれたようで、金さん達は安心した顔で別のGHへと移って行きました。

 

 それにしても私は、サンデシュさんに予約をしておいてもらって本当にラッキーでした。

 

 もしかすると私も、雨の中を右往左往していたかもしれません。

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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ヒマラヤトレッキング 花の旅 index 1

 

ヒマラヤトレッキング 花の旅 index 2

 

 

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白い花弁に紅を差し

2014-05-17 13:45:23 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 13時15分頃、ヒマラヤホテルに到着しました。

 

 ドバンから約2時間半かかったことになります。

 

 実は、この記事を書きながら、初めて経過時間を確認しました。

 

 

 ガイドブックに、ドバンからヒマラヤホテルまでは1時間程度と記されていますから、花の写真撮影にそれなりの時間を費やしたことになります。

 

 このブログに使う写真は、接写機能付きのコンデジで撮影しましたが、ザックの中にはフィルムカメラを入れてあります。

 

 これはと思う花に出会うと、肩からザックを下ろし、三脚にフィルムカメラを据えて花を撮影してきました。

  

 撮影を始めると時を忘れます。

 

 今初めて、花の撮影に費やした時間を知りました。

 

  

 と云うのも、私は普段から腕時計を持ちません。

 

 旅に出ても、空港などは随所に時計がありますし、それ以外の場所は勘に頼ります。

 

 会社勤めの頃からそうでした。

 

 仕事で旅に出るときも含め、数十年間、時間が分からなくて困ることはありませんでした。

  

 このブログに記した時間は、デジカメ画像に記録された時間を参考にしています。

 

 という訳で、私がヒマラヤホテルの到着時間を知ったのは「たった今」なのです。

 

 どうでもいい話ですが、私のブログを見て、ヒマラヤトレッキングの参考とする方が居るかもしれません。念の為に記載時間の背景を説明しました。

 

 空模様が怪しくなってきたので、ヒマラヤホテルでしっかり腹ごしらえをすることにしました。

 

 何をするにも最後は体力です。

 

 雨の中を歩くことになっても、歩き続ける為に体力と気力が必要です。

 

 昼食には、カロリー多めのフライドライス(炒めご飯)を注文しました。

 

 

 ゆっくりと紅茶を飲んで体を温め、14時少し前にヒマラヤホテルを出発しました。

 

 

 既に標高は2800mを越えています。

 

 登山道の周囲の木々は、まだ青葉を出していません。

 

 対岸の壁に掛かる滝の下に、氷の塊が積み重なっていました。

 

 

  

 自然石を敷き詰めた、殺風景な登山路を黙々と登り続けました。

 

 

 そんな場所で早春の花が、白い花弁に紅を差し、枝を飾っていました。

 

 荒涼とした景色の中、不器用に頬を染めて咲く花に、朴とした雛のような好ましさを感じました。

 

 

 花の周囲で、ああでもない、こうでもないと構図を考えながら写真を撮っていますと、

 

 

 頬にポツリと何かが当たり、

 

 みるみる内に、足元の石に水玉模様が描かれてゆきます。

 

 

 とうとう来るものが来たようです。

 

 すぐに雨具を取りだし、身に纏いました。

  

 しかし、そう心配する必要もなさそうです。

 

 眼の前の谷の奥で、今日の目的地であるデオラリのGH(ゲストハウス)が姿を見せていました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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