8時頃、アンナプルナベースキャンプ(以下ABC)を目指しデオラリを出発しました。
目の前に佇む、4000メートルを超える、頂きの尖った無名峰は雪を被り、雲が空に広がっていました。
午後から天気が崩れる可能性は大です。
早目の勝負が必要と考えました。
歩き始めるとすぐに、下山して来たポーター達とすれ違いました。
彼らはスニーカーのような質素な靴で雪道を歩いています。
足が冷たくないのでしょうか。
アンナプルナ内院の、雪解け水を集めた川に、鉄製の簡素な橋が渡っていました。
モディ・コーラ(モディ川)の両岸には20センチ程の新雪が積もっています。
空は雲に覆われ、暗い谷が上流へと続いていました。
もう一度対岸へと、凍えそうな沢水の上に渡された、すのこ状の橋を渡ります。
大丈夫とは思いますが、落ちれば水は、めちゃくちゃに冷たそうです。
暫くして振り返ると、岩と雪と空が不思議な調和を感じさせながら、一枚の絵となっていました。
雪中を流れる青緑色の水面に、神々の姿が映し出されているような気がします。
谷の先にはモノトーンの世界が広がっていました。
ABCへは一本道です。
多くの登山者に踏み固められた雪道を、順調なペースで登り続けました。
一歩ずつ高度を上げて行くと、両側に黒い岩峰が迫り、その先に、雪化粧に輝く岩壁が見えてきます。
何だか、ヒマラヤの未踏峰に挑戦しているような気分になってきました。
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