マチャプチャレBCを過ぎ、なだらかな雪の斜面を20分程も登ると、正面に稜線が見えてきました。
後方の、マチャプチャレ頂上直下に雪煙が飛びます。
ピークは猛烈な風に晒されているようです。
今いる場所は、周囲を8000メートル級の山稜に囲まれ、風を殆ど感じません。
無風状態の雪の斜面を、トレッカー達がABC(アンナプルナ・ベースキャンプ)を目指します。
正面にアンナプルナ・サウスらしき雪嶺が待ちかまえていました。
登っては振り返り、登っては振り返りを繰り返しながら、神々の庭を目に焼き付けました。
紺碧の空の下に、テントピーク 5663m の白い壁が屹立していました。
なだらかな雪原に、ABCを目指すトレッカー達のトレースが曲線を描きます。
マチャプチャレの黒い岩峰が空に突き刺さります。
通り過ぎたマチャプチャレBCは、何時の間にか、雪の斜面が谷へと落ち込む先に姿を消しました。
太陽が刻々と角度を変え、雪の斜面が青白く染まります。
マチャプチャレも、周囲の岩峰も、見るたびに表情を変えてゆきます。
正面にアンナプルナ・サウスの山塊が、一際大きくなってきました。
一番手前でドーム状に見えるのが7126mピークで、見た目は低く見えますが、一番左手奥のピークがアンナプルナ・サウス 7219mでしょう。
今居る場所から、信州大町辺りに望む、日本北アルプス以上の標高差があります。
そんな大絶景の中を歩き続け、やがて雪上のトレースの正面に小さく、ABCが見えてきました。
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