Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

帽子

2017-11-28 |  その他
このブログを始めたのは2009年10月で、先月8年経ったそうです。
その時生まれた子は8歳の誕生日を迎えたんですね、当たり前ですけど。
さぼり気味だったので、年末も近いし何とか辻褄を合わそうと思っていたら、若井さん筒井さんと目黒で忘年会みたいな集まりをもちました。
その日は何だか帽子の話が多かったような.....


(The Fairbanks Album より)

帽子は50歳になったらかぶろうと、少しずつ集めていました。
40代前半に会ったイタリア人から「君は帽子はかぶらないの?」と訊かれた時もそう答えると、「50と言わず日本に帰ったらすぐにでもかぶり始めたらいいのに」と言われてもすぐに手をつけませんでしたが、「オーバーコートに帽子がないと、何か忘れたみたいで物足りないね」と「井」の付く組合の白井さんに優しく言われて抗える方がいらっしゃるとは思えません。
被りはじめてしばらくすると手元にあったものの半分は形状が自分に合わないことが分かってきて、整理するとそこから逆に増えていきました。

日本語で正確に解説されたものは意外に少ないと思いますが、以下のものが最も分かりやすく参考になるのではないかと思います。

「帽子のエチケット」
帽子はヨーロッパ大陸の香りと伝統を今でも持ち続けているものですから、かぶり手にそれなりのエチケットを要求します。これはかぶり手にとって、喜びであると同時に従わなければならない責任でもあります。
昔は紳士を見分けるには、彼が家に入って最初にすることを見れば良いといわれていました。
もし家に入って帽子をとればその人は多分紳士でしょう。
もし帽子をとらなければ彼は紳士のふりをしているだけです。
もし最初から帽子をかぶっていなければ、その人は実際にはもちろん、紳士のふりさえもできないというわけです。

このエチケットの例として、例えば帽子は建物のなかでは必ずとらなければなりません。これは家でもオフィスでもホテルのロビーでも、建物のなかならすべてです。エレベーターのなかでも同様です。
ただ一つの例外は、エレベーターが非常に混んでいて、帽子をはずして作法どおり胸の上に置いたなら、帽子がつぶれてしまうという場合だけです。
また、エチケットどおりにするなら通りで知り合いの婦人に会った時には、帽子を軽く持ち上げて挨拶しなければなりません。これは騎士のエチケットで、かぶとの頬あてを上げて互いが敵ではないことを相手に知らしめた頃の名残です。
しかしエチケットにも、形式的な儀礼にも興味がないとおっしゃる方には、もちろんこれらのエチケットはあてはまりません。
アラン・フラッサー「Clothes and the man」1988 (水野ひな子訳)


(The Barrymores より)

ご存知のように婦人の帽子は容易に着脱を繰り返せないような意匠から髪型の一部とみなされていた時代があり、上記の法則が当てはまりません。
でも画像のバリモア氏の2番目の妻のような帽子は、きっと食事の邪魔ですしテーブルでは取ったと思います。

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