Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

ヴィンチェンツォ・モンティ

2019-05-22 |  その他
たびたび京都を訪れる方は通りの名前を聞いただけで、何か思い浮かぶことがあるのではないでしょうか。
さらに幕末の時代小説を読み過ぎた方なら、路地の角を曲がって町名が目に入った途端に、血なまぐさい事件がよみがえって来るかもしれません。

また「望郷」のジャン・ギャバンのように、逃亡先でパリの街区を思い出させる女性に会うと、矢も盾もたまらず帰りたくなって命を落としてしまう、なんて話もありました。

先日ミラノの紳士服店といってもだいぶカジュアルなものを扱う店からコンタクトがあって、内容的には縁がなさそうでしたが、所在地を見て何か懐かしいような、忘れていた事を思い出すようなことがありました。
Vincenzo Montiというその通りはドゥオモからスフォルツェスコ城に向かって、途中から左のマジェンタ街へ折れ、カルドゥッチ通りにぶつかる辺りから始まります。
ドゥオモ周辺に比べ落ち着いた雰囲気で、盆栽店やケーキ屋などのウィンドウをひやかしたり、歩きやすい通りでした。
その通りとPetrarcaという短い通りが交差するところに、「Stivarelia Savoia Ballini」という店はありました。
店主と地下に職人、そして親切なご婦人が数人の静かな店でしたが、いつ行っても居心地の良い店でした。
ここや他の好きだった店のことを最近よく思い出します。
残念ながら閉店したり、あっても取り扱う品がかつてのようではないらしいです。





これが一緒に撮った最後の写真になりました。
高齢のArturo Balliniさんは椅子から立ち上がるのもやっとだったのに、自分で指示してポーズをとってくれました。
この年の秋閉店してしまいます。
数ヶ月後、新しいオーナーは内装をすべて壊して新しくすると、Balliniの名前をとってオープンしました。

ダラダラ書いて参りましたが、カウンターによれば開設して本日で3500日だそうです。
日頃ご覧頂きまして誠にありがとうございます。

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