Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

これからの

2020-06-09 |  その他
自粛期間の初めの頃、どこかのオーケストラの方が「もう数十日も演奏していないし、自分の仕事が不要不急の不要にあたるのかと思うことがつらい」とTV取材に語っていらっしゃいました。
新型コロナ禍の中で、自分の仕事は果たして何かの役に立ってるだろうか、と顧みない人はいなかったかもしれません。

少しだけ家にある生地の中から、エスコリアルとかしっとり目の詰んだ200双のシャツ地とか出して、それを作った人々のスキルを思い、さらにもう一段着やすい服作りは出来ないだろうかとか、今後作るものへの気持ちをかき立てようと思いました。
技術的なことはともかく、気分的に何かスッキリしません。



寝ようと思う頃、「プロフェッショナル」という番組の再放送をやっていました。
以前もアンコの達人という人が紹介された回に、従来とまったく違う作り方を見たことがあります。
今回もたまたま小豆を煮ている場面に遭遇して、つい見てしまいました。

お母さんに教わった笹餅を60歳から商い始めたというおばあちゃんは、笹の葉を取りに山へ分け入り、小豆もご自分で育て、納得ゆくものが出来たときには10年経っていたといいます。
すべて一人で作って、お子さん達を案じ、撮影スタッフのご飯も用意して「こんな多忙な90歳いる?」と笑っていらっしゃいました。

どの話も良いですが、優しいお母さんとの幼い頃の幸せな記憶が、93歳の今もおばあちゃんを支え続けていることが分かります。
ふとルノワールの映画とかE.レジーナとA.Cジョビンの「三月の雨」を連想しましたが、それよりもっと幸せな気分をお裾分けに与ったようでスッキリ。

地域貢献などで表彰されたり、以前から地元では知られた方だそうです。
お約束だから仕方ないかも知れませんが、いつもの「プロフェッショナルとは?」という問いかけが蛇足に思えました。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする